感想&評価『原枝恚子さん怪死事件』をレビュー~局所的に飛び抜けた恐怖演出に全身粟立つ~

原枝恚子さん怪死事件感想レビュー評価

『原枝恚子さん怪死事件』(Steam)のレビュー(感想と評価)です。

Steamにありがちなインディーのホラーゲームですが、局所的に飛び抜けた恐怖を味わえたので、個人的には大満足。
自分にはホラー耐性がある!と思っている(思い込んでいる)人に特におすすめします。

「所詮200円未満のゲーム」と侮っていると、後悔すること間違いなし。
ホラーに理解がある人ほど楽しめるでしょう。

プレイ時間:0.6時間

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『原枝恚子さん怪死事件』紹介

ゲーム概要
『原枝恚子さん怪死事件』はシングルプレイの3Dファーストパーソン 短編ホラーゲームです。
怪死事件の遺族宛てに届いたビデオテープを通して、不可解な事件を追体験し、不気味さや得体のしれない恐怖を味わうことが出来ます。

事件概要
1999年 9月12日、午後8時に原枝恚子(はらえだ けいこ)さんが自室内で倒れ、遺体となっている所が発見された事件。
警察は事件性はないと断定し捜査を打ち切ったが、不可解な点が多く残り、遺族は今でも情報提供を呼び掛けている。

何となく雰囲気で面白そうだなと感じたならやってみるべきゲームです。

そもそもSteamでこのゲームが売られていて興味を持つ時点で適性はあります。
普通は見向きもしないでしょうし。

スマホがない時代というのはもはや定番となりましたね。
それでも古臭いから嫌だとはならずに需要があり続けるのは、一様にその時代への羨望があるからでしょうか。

ホラーは今やお茶の間から消え去りました。
しかし、ホラーが消えたのではなく、お茶の間が消えたのです。

ホラーはどんなに時代を経ようが不滅だと思います。
人が何かに恐怖する限り。あるいは、在りし日の団らんに郷愁する限り。

という話とは一切関係ない本作ですが、ホラーに理解がある人ならやってみて損はありません。

シンプルに評価と感想

怪物や幽霊、ゾンビではなく、日常に潜む系のホラーがやはり一番怖いのかもしれないということを再認識しました。

導入の事件のあらましの説明。
タイプライター風の表現に、最低限のBGM。
これだけでじわりとした恐怖を煽ってくれます。

原枝恚子さんが精神疾患を抱えていたのもポイント。
この人がおかしいのか、不審者あるいはストーカーが実際にいたのか、
プレイヤーはどちらの方面での恐怖なのか想定できません。

「どう怖がらせてくるのか」を身構えられないのはなかなかにそれ自体が恐怖。

初めはかの名作ホラーデモゲーム『P.T.』の真似をしたかったのかな?と舐めていました。

何をすればいいのか、何かしないといけないのか、あるいは時間経過で何か起こるのか、何の説明もありませんし、
それ以前にプレイアブル状態になったかどうかすら気づかずぼ~っと眺めてしまっていました。

この時点では、低価格のゲームだからまあこんなものだろうくらいの認識でした。

が、プレイし終えた今は非常に満足しています。
面白かった。よくできています。

局所的に飛び抜けた恐怖を味わった

何と言っても、あのシーンは本当にびっくりしました
久しく味わっていない恐怖を感じました。

ゾクっと鳥肌が立ちました。
皮膚が一瞬で粟立ちました。
悔しくも総毛立ちました。
恥ずかしくも身の毛がよだちました。

ここ十数年でここまで体が「反応してしまった」演出はありませんでした。
久しぶりに出会ったような気がします。

気を抜いてたから本当にヤバかったです。笑
これだけでも十分元は取れましたね。




欲を言うならば

VHS風の粗いプレイ画面は良かったですが、
実写で表現してくれていたらさらに怖い演出となっていたでしょう。

原枝恚子さんの顔写真だけで「実際にあった事件感」を出せていたのは秀逸なので、部屋も実写だったらなお怖がれたに違いありません。
実写の部屋を動き回れるようにするのは難しいのかもしれませんが。

ここは次回作に期待ですね。

ホラー慣れしている人にこそ勧めたいゲーム

まあなんにせよ、200円未満のゲームです。
それでここまで恐怖を味わえたのだから十分すぎますね。

「ホラー映画やホラーゲームなんか余裕」
「慣れているから全然問題ない」
そう豪語している諸君にこそぜひおすすめします。

実際私もその一人だったからです。笑

この私を怖がらせることのできるゲーム?
そんなものここ十数年プレイしてないよ?
なんていう傲慢だった自分が今となっては恥ずかしいですね。

ホラー耐性があると自負している自信過剰な諸君こそぜひプレイしてほしいです。
ホラーゲームで怖がるなんて子供かよと勘違いしている諸君こそやるべきです。

そしてできることならお友達のホラー好きにも勧めてください。

このゲームでは真のホラー耐性が測れます。

一つとても重要なことがあります

ミステリ、サスペンス系の作品では当たり前のことですが、
最近はそれすら理解できない人間が増えているようなので念のため書いておきます。

本作は「ネタバレ厳禁」です。

ここまでの感想では実は内容に触れていません。
ぜひとも自分でプレイしてほしいからです。

200円をケチって、この恐怖を味わわないのは、非常にもったいない!

本作の感想ではない愚痴

閲覧注意
このゲームに整合性とか、辻褄とか求める奴って何なの?
一体どんな顔して生きてるんだろう?
マジでクソつまらない人生を送ってるんだろうな。
ここまで空気読めない人間いるんだ。

200円未満の作品に一体どれだけ求める気だよ。
ゲーム内でも皮肉られているのに気づいてないもんなあ。
どんなに時間かかっても1時間以内にはクリアできるからって、返品するような人間にはなりたくないね。
どんだけ性根腐りきってんだよ。

というか、マジで返品する人間いるのかよ。
マジでホラーだわ、それこそホラーだわ。
そんな人間がこの世に生きていることこそホラーだろ。
気持ち悪すぎる。

返品されまくりで問題となったゲームは実際にありますからね。
(Steamではプレイ時間が2時間未満の場合、返金を行ってくれます)

「Steamがそういう仕様になってるからいいじゃん!」
「なんも悪いことしてないのにどうして文句言われなきゃならないの?」
というのがそいつらの定型句です。

うーん、気持ち悪い。
君らそのままの顔でホラーの怪物役で出演できるよ。

本作については、正直なところ、
こんなマイナーなホラーゲームをプレイする癖に、ホラーについて何一つ理解が無いのがいると判明したことが何よりホラーでしたね。恐れ戦きました。

実話かと思っている人までいるみたいですし…。
プレイすらせずに、実況動画だけでホラーを消費する層には理解とか不可能か…。

でもまあここは、そう思わせた本作がすごい!ということでしょう。




次回作に期待

何はともあれ、次回作に期待します。
本作で資金が集まれば次回作はもっと規模の大きいものが作れるだろうし、ぜひともプレイしたいですね。

ということで、みんなプレイしよう!

大学生が1人で作ったゲームらしいです。
日本にもこういったクリエイターがどんどん増えてほしいものですね。


以上、『原枝恚子さん怪死事件』のレビュー(感想と評価)でした。


あと、どうでもいいことかもしれませんが、
Steamの実績画像がどう見ても、VHS(ビデオテープ)ではなく、カセットテープなんですよね。
なんででしょうかね。本作に関連するならビデオテープじゃないとおかしい気がします。
まあ、別にいいか。

以下、ネタバレありのちょっとした感想

読まなくても問題なし

実際1年に一人だけ死ぬって、呪いでも何でもないですよね。
事故や怪我や病気や事件で誰がいつどこでどう死んでもおかしくありません。
それが私たちが生きている世界です。

そもそも生まれたからにはいずれ死にます。
それが人間。というか生き物はすべてそうです。
死ぬのを避けるには産まれないを選択するしかありません。

しかし、その選択は本人には当然できません。
なんて理不尽でしょう。なんて不条理でしょう。

どんな人間も例外なく死ぬことが運命づけられています。
この世に絶対はないと言うがこれは絶対です。

つまり、出産とは殺人なのです。

だから、ホラーは本質であり救いでもあります。
人の人生自体がそもそもホラーなのですから。

人生とはホラーのことと見つけたり。
改めてね、そう思いましたとさ。

終わり。

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