感想&評価『DreadOut』をレビュー~成仏できぬ霊はリンダの斜め掛けに癒しを感じたか?~

『DreadOut』感想評価レビュー

『DreadOut』は、インドネシア産の三人称視点ホラーゲームです。

『零』から強く影響を受けていて、スマホ・一眼レフを武器に幽霊や妖怪と戦います。
美少女キャラクターが主人公というのも共通しており、発売当時2014年からプレイしたくてたまらなかった作品。

2022年になってようやくプレイできたので、感想と評価をまとめます。もう2024年ですが、そこそこタイムリーなゲームです(2020年には2も発売、2023年にはPS4/PS5で日本語対応で発売していて、またSwitchでも2024年6月に発売予定)

ちなみに1作目はSteamでも日本語対応しています。
『零』が好きで興味あるならプレイしてみましょう。セール時なら500円未満で買えますからね。

プレイ時間:8時間ほど

『DreadOut2』Switch『DreadOut2』PS4『DreadOut2』PS5

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ストーリーと概要、リンダについて

『DreadOut』リンダの斜め掛け

校外学習中に主人公・リンダは、不気味なゴーストタウンに迷い込む。
人を探して訪れた廃校で、気づけば先生やクラスメイトはいなくなり、リンダは一人になってしまう。
固く閉ざされる出口。
消え去ったクラスメイトと先生。
様子のおかしい親友。
校舎からの脱出を試みるリンダにおぞましい怪異が襲い掛かってくる…。

このゲームの一番重要なところは、主人公リンダリンダの斜め掛けバッグです。
これがなければおそらくこのゲームはこれほど有名になっていないでしょう。

まだインディホラーの黎明期である2014年に発売した先駆け的な作品ではあるものの、お世辞にもゲームとしてのクオリティは高くありません。
それでも世界中で、『零』をオマージュという謳い文句はあったとしても、爆発的な人気を誇ったのは、確実に、「リンダ」「斜め掛けバッグ」のおかげです。

正直、ホラーゲームをプレイする理由なんてこれ一つで十分。
それこそ、ホラーと美少女の相性の良さは『零』が証明してくれていますからね。

『DreadOut』やっぱり映えるよね

リンダが人気なのは「それ」だけでなく、寡黙であることも含め、なんだかカッコいいところでしょう。
かわいいけれど、漢気にあふれている。そんなキャラクターなのです。

クリア特典としてたくさんコスチュームがあるので、着せ替えて周回する楽しさがあるのも零と同じ。
もしまだプレイしていない方がいるならぜひやりましょう。零のリマスターは発売しても、新作はまだまだ発売しそうにありませんしね。




スマホで除霊!戦闘・アクションについて

『DreadOut』チュートリアル画像

インドネシアでは除霊機能付きのスマートフォンが売っているらしく、リンダもそのスマホで怪異と戦います。

おまけにバッテリーは超長持ち。いくら幽霊を撮っても、長時間ライトを点灯させても、バッテリー切れの心配はありません。
そんなIrisPhoneが今ならなんとたったの29,800円!なんと29,800円!!
この機会にぜひお買い求めください。

当時、スマホで霊を撮って戦うというのは非常に「次世代」を感じました。
日本でスマホが一般に広く普及したと言えるのは、おそらく2013年。その年に私もiPhone5sを買った記憶があります。
(まだ10年くらいしか経ってないのか…)

この視点いいよね落ち着くよね

『DreadOut』の発売は2014年。ホラーだからと言って、時代をさかのぼらず現代のデバイスを利用するところに、とてつもない魅力を感じたのを覚えています。
今後こういうホラーゲームがどんどん発売するんじゃないかと大いに期待したものです。

という意味で革新性があった本作。
レンズ切り替えやフェイタルフレームなんてものはないですが、スマホで戦えること自体に価値があると言えるでしょう。

インドネシアの風俗文化を知るとより楽しめる

『DreadOut』見切れるポチョン

本作は、インドネシア特有の民話や伝承にもとづいた怪異や怨霊が多数出現します。
それらについて理解があるのとないのとで、このゲームに対する評価はまるっきり変わるでしょう。

例えば、Pocong(ポチョン)は、インドネシア版幽霊。
成仏できていない死者の魂で、白装束(亡くなった人に着せる)に身を包んだ姿をしているのが特徴です。
頭や腕、足は紐で縛られており歩くことができず、ぴょんぴょんと跳ねたり空を飛んだりして移動します。
ホラーゲームのために誂えたかのよう。

それから、Sundel Bolong(スンダル・ボロン)
ゲームをプレイしているだけだと、暴飲してゲップをする汚い幽霊という認識で終わりですが、実は悲しい過去を持っています。
その正体は、 「レイプによって望まぬ妊娠をした末に自殺した女性」なのです。
背中には、蛆やミミズの集る腐敗した内臓がはみ出る大きな穴が空いており、そのためにいくら食べても飲んでも満たされません。
そして、スンダル・ボロンは加害者に復讐するべく蘇り、その男を殺害するか性器をもぎ取ります。

他にもインドネシアならではの怪異・幽霊がたくさん登場します。
不思議なデザインも文化に根付いたものと知れば、違った見方ができるでしょう。

インドネシアはアジアだけあって、日本に近いところが結構あります。
ホラー本来の教訓的なものが多分に含まれており、異文化を知るきっかけになるかもしれません。
土着信仰や民俗学的なものが好きな方は非常に興味深くプレイできるのではないでしょうか。




まとめ:ホラーゲームの未来を感じさせてくれたゲーム

『DreadOut』女に頼られる女リンダ

このゲームをプレイしていると、慣れ親しんだゲームを周回しているかのような安心感がありました。
訳の分からない謎解きで少し詰まりかけましたが、それでも穏やかな気持ちでプレイできました

ホラーゲームなのに?
そうです。ホラーゲームだからです。

最近、この感覚はインディーゲームでしか味わえていない気がします。

続編の2はすでにSteamで購入し、まだプレイできていないのにもかかわらず、なかなか日本語対応されないからとPS5版も購入しているのに、パッケージのジャケットが良いからとSwitch版も買ってしまいそうです。
『零』の新作発売、もしくは「3」の発売が決まったらプレイしようと考えていましたが、もうさすがにプレイしようと思います。

一部のインディーホラーでしか味わえない感覚を今後一生味わえなくなるんじゃないかと、もったいなく感じてプレイを躊躇ってるんですよね。

横スクロールだったりドットゲームだったりが人気な今、もしかすると、私の場合ホラーゲームなだけで、同じような気持ちを多くのゲーマーが求めているのかもしれません。

『DreadOut』は、ホラーには癒しの力があると確信しているような真のホラーファンにもおすすめします。


以上、『DreadOut』のレビューでした。


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以下、余談

『DreadOut』リンボ

ゲーム内にこんな文章が表示される意味を考えよう

ゲーマーとしてのモラルが分かる

本作『DreadOut』に対して、「零のパクリ」「劣化版零」などの評価は的外れ。
ジャパニーズホラーを代表する『零』をオマージュしてくれる海外産ゲームが発売したことを何より歓迎すべきだったのです。

当時すでに、何も分かっていない奴が、それも零すらやり込んだ訳でもない人間が、実況動画を観ただけの判断で酷評していたのをよく覚えています。
2014年に、それもインドネシアという多くの日本人が詳しくない国が日本のホラーゲームにインスパイアされて作った、この事実だけ見ても素晴らしいことなのです。いろんな国でインディーゲームが作られるようになった現在ならまだしもです。

この辺り(2014年)からゲーム実況にお金が絡み始めたのも相まってか、<プレイもせずにあれこれ口出しするクズ><プレイした気になって偉そうに講釈垂れるカス>が増え始めた気がします。
個人的なゲームのプレイスタイルは、「攻略は一通りクリアするまでは極力見ずに」「PVすら観るのはそこそこにとどめておき」「買うと決めたら買い」「自分ひとりで没頭できる状態でやる」ですので、それらの人間たちと大きな乖離があるからこそ反発心が生まれるのでしょう。

それだけならまだしも、プレイしている側のゲーム実況者すら、次から次へと動画をアップしていかないと視聴者に飽きられるからか、やり込みなど全くせずただ消費していくばかりですからね。
「お前、ほんとにホラーゲーム好きなのか?」「視聴数稼げるからプレイしてるだけだろ?」「かつてのホラーゲームに対する思いはどこいった?」と問いたくなります。

私はここ数年特にゲーム実況者・配信者なるものの存在がひどく気持ち悪く思え始めたので、実況動画は一切見なくなりました。
昔も買うかどうかの参考程度でしたが、「他人の声」が入ってる時点で論外ですよ、普通に考えて。
ゲームはそれ単体で完結しているのだから、他人の声が入ってるなんて邪魔でしかありません。ましてや、それを観るだけって…笑

みんなでわいわいプレイするパーティーゲームや対戦ゲームなら何も言いませんが、ホラーゲームに関してだけは実況なんて絶対に必要ないです。
他人の反応を見たい?ああ、そうですか…キモ笑

というか、最初から最後までゲーム内容を詳らかに公開してるって常識的に考えておかしいですよ。
有名人(影響力のある人)に冒頭(一部)だけプレイしてもらうのは、会社側が行なうマーケティングとしては順当でしょうけども。

まあ、どうでもいいか。何かを変えようと動いている訳でもないですし、関係者ですらないし、一般のゲーマーですから。それに所詮たかがゲームですから。(諦観の笑)



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