『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』(PS4)のレビュー(感想と評価)です。
2018年の発売日に買っておきながら、なかなかプレイする気が起きずに気づけば、5年以上。
積みゲー処理のつもりでいい加減やるかと始めたところ、前作前々作の興奮に近い高揚感を味わえて十二分に楽しめました。
少なくとも2020年くらいまでにやってれば、もっと楽しめたかな、と若干後悔。
2018年に発売したばかりの頃はあまり良くない評価が散見されて萎えていたんですよね。
いや、全然評価当てにならないし、やっぱり。
この素晴らしいゲームを長々と放置するなんて非常にもったいないことをしました。
今(2024年)でも通用するグラフィックとアクションを堪能出来て満足です。
新作のプレイ前に他人の評価を見るのは金輪際やめようと誓いました(笑)
プレイ時間:40時間
プレイ所感「3作目の安定した楽しさと最終作ならではの試み・新鮮さ」
リブート版トゥームレイダーの3作目(最終作)である本作。
リブート版以前のトゥームレイダーはプレイしたことがなく、2013年に1作目が出た時に初めてこのシリーズに触れました。
(初期PS版はプレイしたような気がしますが昔すぎて覚えてません)
その時の興奮は今でも覚えています。
まだララが一人の大学生にすぎず自分とほぼ同い年の設定で感情移入しやすかったのと、まだゲーム自体に慣れていない時だったからでしょう、
何もかもが新鮮で衝撃的でダイナミックでスリルに溢れていて、とてつもなく感動しました。
「こんな面白いゲームがあるのか」と。
今作『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』では、その時の興奮と感動を思い出し、純粋にゲームを楽しんでいた気持ちを取り戻せたような気がします。
直前にレトロゲームをやっていたのもあってか、クオリティの高さが際立って感じられて、ただ舌を巻くしかありませんでした。
各所にあるトゥームの造形美には特に感嘆しましたね。「こんなのどうやって思い付くんだよ」と。
3作目までに築いたクライミングアクションの安定した面白さに、最終作ならではの新要素と集大成感あるシステム。
そして、私が好きなステルスアクション。
さらに、ララの美しさと人外レベルの身体能力。
これだけ揃っていれば、紛うことなき名作です。
3作ともゲームカタログにもありますので、まだこのシリーズに触れたことがない人はぜひプレイしてみてください。
シャドウ オブの楽しめたポイント
超人ジャンプ&うっかり落下死!いつものクライミングアクション
ララの身体能力には相変わらず驚かされました。
いやそこは届かねえだろと思ったところは届き、ここは行けるだろうと思ったところでは落下。
実に面白かったです。笑
今作では壁だけでなく天井も移動できるようになります。
ララはついに人間を辞めたかと思いましたが、だいぶ前にすでに辞めてましたね。そうでした。
ララのアクションを見ていると、子供の頃SASUKEに挑戦したいと考えていた記憶がよみがえります。
小学生の時は懸垂を余裕で何回もできていたなあ。懐かしい。
自分の跳躍力・握力・観察力・体重を熟知しているからこそのアクション。
このくらいの力で踏み込めばここにはジャンプできる。
このくらいダッシュしないとあそこまでは届きそうにない。
自分の体を100%動かせる感覚に、鋭敏に研ぎ澄まされた精神。
本能と理性を両方喜ばせる最高のご褒美。
それが「体を動かす」ということなんですよね。
おそらくララは極限まで体を動かすという麻薬に加え、誰も立ち入ったことのない場所に行き、誰も知らない事実を発見し好奇心を満たすという麻薬をダブルで摂取しているために、「トゥームレイダー」(考古学者の皮をかぶった殺戮者)を辞められないのでしょう。
快感のオーバードーズ。
これは決してセックスなどではたどり着けない領域です。
VR技術がもう少し発達すれば、ララの味わっている感覚に近いものを体験できるようになるかもしれませんね。
今作もララの超人的なアクションに魅了されました。
パズルだけでなく遺跡としての完成度も高い!各地の多種多様なトゥーム
このシリーズが他のTPS作品と一線を画すところはやはり「トゥーム」。
遺跡を謎解きパズルにさせるアイデアは唯一無二でしょう。
単にパズルとして成立しているだけでなく、遺跡として実際に古代の民族が形作ったものであるという説得力のあるデザインにしないといけません。
並大抵のアイデアでは到底実現不可能です。
「こんな仕組みよく思いつくよなあ…」と改めて思いました。
今作のトゥームは全部で8つ。
最後の一つを除けば(笑)、どれも満足いくものでした。
難しすぎず理不尽でもない絶妙なバランス。
辺りを見回してじっくり考えつつ、色々と試してみる。
詰まりそうになったところで、ふと攻略法に気づく。
トゥームというシステムは非常に自分の性に合っています。
最後のトゥーム…。あれは完全にネタ切れですよね。
あれだけは擁護のしようがないです。
サブミッションの過程で見つける場所になっているのですが、そんなに褒められるような遺跡ではなかったと思います。
盲目の爺さんに気を遣ってララは素晴らしかったと伝えてあげたのでしょうけど。
まあ普通、微妙な感じのパッとしない遺跡でしたとは言えないよなあ…。
だがしかし、私は言います。
「おい爺さん!お前の探してたトゥームはこれまで見たものの中で一番つまらなかったぜ!」
とりあえずこのシリーズは、トゥームを全部クリアしてから、ストーリーを終わらせるのがベストです。
トゥームをやらずにストーリーだけ終わらせた状態では、このゲームをプレイしたとは断じて言えません。
「トゥームレイダー」における「トゥーム」なのですから、こっちがメインなのは明らか。
というのも、あまりにもクリア率が低いからです。
え?トゥーム8つクリアしたの10%だけなの?9割のプレイヤーがまともにこのゲームやってないじゃん。
ゲームカタログに入ると、トロフィー取得率がガクっと下がるのはあるあるですが、それを考慮してもひどいのでは。
今作に関しては8つ目がひどかったせいもあるかもしれませんが。笑
いやでも、ひどいかどうかはクリアしないと分からないしなあ。だからそれは違いますね。
9割のプレイヤーが本作の本質を知らず(理解せず)にプレイした気になっているってことでしょう。
ストーリーは最後まで行かなくても、トゥームだけは全部やりましょう。もったいないですよ。
「ええ~!あいつトゥーム全部やってないのにトゥームレイダーやってる気になってる~。そんなニワカが許されるのは小学生までだよね~笑笑」
殺戮マシーン!?ジャングルに潜む死神!?ララのステルスアクション
正直プレイヤーも恐くなります。ララがあまりにも強すぎて。
私が敵兵だったら真っ先に逃げますね。「こんなところいられるか!」って。
だって怖いだろ、この女。一人だぜ?それで何人殺してるの?ヤバすぎでしょ…。
漫画だったら、「ララ」に振られているルビは確実に「死神」になってるはずです。
闇か草むらか泥か水中か、あるいは木々の上からか。
奴はどこからともなく現れて、武装した兵士にも関わらず気づかれることなく容易く消し去っていく。
悪魔だよ、あの女は。
ということで、今作もステルスアクションが楽しいです。
前作までより選択肢がいろいろと増えました。
連続ステルスキルができるようになったので、
1人目をキル⇒近くの敵に気付かれるけれど、声を上げられる前にさらにキル⇒そしてさらにもう1人
みたいに多少強引にステルスキル狙っても制圧できます。
これは楽しかったです(笑)
あと、木の上から弓で敵を撃ち、引っ張り上げて木の枝に吊り下げられるようにもなりました(前作からあったかも)。バットマンが多用したあの技です。
スキルを強化すると木の上に隠せるので、見つかる心配もありません。あまり試すチャンスがなかったのは残念でしたが。
ステルスゲームです!ステルスしないといけません!見つかったら終わりです!
というようなステルスメインのゲームではないからこその面白さがやはりあります。
別に見つかっても銃撃戦すればいいだけですし。
でも、見つからないように立ち回って静かに殲滅できると、とてつもなく達成感味わえますし、たまらなく興奮できるんですよね。
ステルスキル好きには、今作も最高に楽しめました。
シャドウ オブの気になったところ
やっぱりララの走るフォームおかしいよね、重そうだよね、足音気になるよね…
前作のライズオブのレビューでも言及しましたが、今作もララの走るフォームがダメ!汚い!重そう!
相変わらず肩に力入ってて腕の振りが固いし、足音うるさいし、腰の位置が落ちてるからすり足に見えるし、とにかく躍動感や疾走感が皆無!
超人アクションをするくせに、走るフォームが文化部のそれですからね。
気にならないわけがない。
いやいやどうして誰も指摘しない?
明らかに変だと分かるでしょう?
ララを走らせた瞬間に気付くダメさになぜ誰も修正を加えない?
キプチョゲみたいなフォームで走れとは誰も思ってないですよ。
銃や弓や各種素材を背負ったままですし。
うーん。
制作者は頭でっかちの学者系統ばかりの人なのか?なんて思ってしまいます。
「ララの走るフォームが汚いので、星1つです」
なんてレビューをしたくなるくらいに残念極まりないです。
何度か走って逃げるシーンがあるんですけど、緊張感ないんですよ。このフォームじゃ。
顔や表情が前作より良くなってるだけに余計に気になりました。
ストーリー?よく分かりませんでした!…ララが満足気だしまあいいか
簡単なあらすじはこんな感じです。
よく意味が分かりませんよね。ララが終末への引き金を引いて、自分でそれをどうにか止めるの?うん?どういうこと?
でも、今作のストーリーは本当にそんな感じです。
終盤で意外な顔を隠せばセクシーな人物が味方に付くのですが、「いや、さっきまで君の仲間たちぶっ殺しまくってたんだけど、いいの?」という気分にさせられますし、全般的に整合性が取れていない気がします。
アクションシーンだけ切り取ってみれば盛り上がるんですよ、非常に。
でも、通して見ると訳が分からないんですよ、まるで。
もしかして、寄り道しすぎたせいか?そういうことにしておきます。
余計なサブミッションやら収集物やらに精を出しすぎて、本筋を忘れてしまったせいでしょう。そうに違いありません。
ララがようやく父親との思い出を振り切って、吹っ切れた様子ですし、その満足気な顔を見れただけで、まあ良しとしましょう。
コスチュームはもう少しセクシーでも良かったんじゃけどのう…
顔を隠せばセクシーなあの人と同じ横乳が素敵なコスチュームがあったら良かったのになあ。笑
今作は動物の素材からコスチュームを作製し、好きなものに着せ替え可能です。
上下に分かれていて、それぞれ異なるスキルが付与されているので、戦闘シーンや探索シーンに合わせて変更すれば、効率的にゲームを進められます。
毛皮をそのまま使用した野性的なデザインのコスチュームは、部族感あるいは民族味を感じられて悪くありません。
しかし、ララの通常着の上から羽織るだけなんですよ。
RPGみたく装備を替えると全身が変わるシステムではないんですよ。
ここは少し残念でしたね。
(上下に分かれていない全身コスチュームにはスキルが付いていないのです…)
まあ別にララに対してそういうものは求めてないので、いいんですけどね。
ドラクエ3の女戦士みたいな格好で戦われても困りますし。
世界的に強い女の象徴とまでなっているララさんがそんな軟派なコスチューム着る訳ないだろ!
ギネスブックにも載ってるお方だぞ!
ほんとにまったくもう!けしからん!
(でも容赦なく串刺しになって死ぬんだけど、それはいいのか…?)
シャドウ オブのその他の要素について
串刺しになるララ
これはこのシリーズの伝統なんでしょうかね。
ララが痛めつけられ傷つき苦難を強いられる展開だけでなく、無様に無残に死ぬ描写の多さは。
序盤の濁流に流されるシーンがあるのですが、少し操作を見誤ると簡単に串刺しになります。
「え、首に木が刺さってるんですけど…」と正常な感性の持ち主なら確実引かざるを得ないほど衝撃的です。
しかも、ムービーが終わった瞬間操作可能になる場面ですから、じっと画面を見つめていて気付かずに串刺しになったプレイヤーは少なくないはず。
明らかに意図的にそのようなグロテスクなシーンを見せるように仕組まれています。
制作者たちよ、君たち変態集団だろ?
他にも、急流に流され大岩に鈍い音を立てて激突して死んだり、
ピラニアに全身を貪り食われて死んだり、
敵兵の集団にオーバーキルなほどに弾丸を浴びせかけられ銃殺されたり、
ジャガーに頭を潰されて死んだり、などなど
いわゆる俗に言う「リョナ」が好きな開発者が複数人紛れていなければ、絶対ありえません。
克明に女主人公の死に様をバリエーション多く見せつけたりなんて、絶対に起こりえません。
その手の嗜好の持ち主にはたまらないかもしれませんが、通常のまともな神経してたら拒絶反応しか出ませんよ、こんなの。
パンツ1枚は規制されて、目を背けたくなるほどグロテスクな描写は見過ごされる…。
だから、私みたいな何度も串刺しさせて悦ぶような変態が生まれるんですよ。
まったくもって遺憾ですよ。制作者は深く反省していただきたい。
ジョナの存在
ララはジョナに迷惑かけすぎです。笑
近年の漫画やアニメに大量に溢れている「○○さんは△△で~~」みたいな、男が執事か召使か奴隷みたいに女に振り回される作品。
あれに近いものを感じました。
あれらの作品のキモさは人類史上類を見ないほどだと思っているのですが、需要があるから流行っているんですよね。理解不能です。
しかも必ず男の容姿がパッとしないんですよ。
感情移入させやすくするためか、作者の投影か分かりませんが、総じて平凡か凡庸(ブサイクでもないのがポイント)。
ジョナもハンサムではないし二枚目でもありません。
どちらかというとレスラー体系でずんぐりむっくり。パワー系の見た目です。白人でもないし。
能力的にはララに必要とされるくらいですから当然平凡ではないのですが、恋愛対象や結婚相手になるかというと、それは絶対にないと言い切れるキャラクター設定になっています。
途中、ジョナが可哀想になりましたよ。
今作ではこれまで以上にララに振り回され、ひどい目に遭いまくりますから。
ララはジョナにもっと感謝しようね。笑
ネタバレになりますが、最後のほうでジョナは現地で出会った女性といい感じの関係になってる描写があります。
あれ見て、「ほんと良かったな、ジョナ!」「やっとララにこき使われなくなるぞ!」と嬉しくなりました。
もはやララの相棒ではなく、子守役と化していたジョナ。
彼にもようやく春が訪れたようだ…。
まあ、ジョナは日本のそれらのアニメ作品のようなナヨナヨした男ではないから、モテるのは不思議でもなんでもないんですけどね。
ララがずっと近くにいたせいで機会がなかっただけでしょうし。
おまけ:「マヌコ」の発音について
とあるサブミッションでどこかの民族だったか王様の名前だったかで(うろ覚え)、「マヌコ」という名称が出てくるのですが、明らかに発音がマ●コなんですよ。
たぶん翻訳者は危ない橋を渡れず(日和りやがって)、マヌコと和訳したに違いありません。
登場人物たちが真面目な顔してマ●コマ●コと○ンコ、いや、連呼する姿はどこか滑稽でしたね。
特にララのような美人が澄ました顔して、その単語を何度も口にするのは、まあ、…悪い気はしませんでしたよ。
小学生時に『シャーマンキング』に出てくるまん太の妹の名前に、なぜ「の」が入っているのか分からず、「なんでそのまま子を付けないの?まん子でいいじゃん」と発言してあたりが静かになった理由を知るのは、それから何年もしてからだったという昔の話を思い出しましたうわ懐かしいけど恥ずかしいな。
ということで、
実際にどう発音してるのか興味を持たれた方はぜひ本作『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』をプレイしてみてください。笑
シャドウ オブの感想まとめ:PS5で新シリーズ望む!
リブート版トゥームレイダー第3弾『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』。
本作はシリーズ最終作にふさわしい締めくくりの作品として、唯一無二の存在感を示してくれました。
アクションと謎解きとグラフィック、そのどれもがここまで高水準の作品は他にあまりありません。
新生ララの活躍がここで終わるのは非常にもったいないので、ぜひともPS5で新シリーズを出してほしいものです。
(その時はララの走るフォームを改善してください。期待しています)
まだプレイしたことないよという方は、PS Plus会員のゲームカタログに入っていますので、1作目からのプレイをおすすめします。
そして、ララの勇姿(&死に様)をぜひ堪能してみてください。
以上、『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』のレビュー(感想/評価)でした。
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