不死のお嬢様が何度も逝くコメディ漫画『カラフルグレー』(躯咲マドロミ)の感想です。
キャラクター、ギャグ要素、ストーリー展開、どれをとっても特徴的で類を見ない内容になっています。
こういう漫画らしい漫画は久しぶりに読みました。
ぜひともアニメ化してほしいお気に入りの作品です。
全5巻で完結済み。
7巻は続いてくれると思ってたんだけどなあ……。
あらすじと紹介
異形の伯爵タナトス・フォグ・グランギニョルは人体実験の罪により、軍の討伐隊に体をバラバラにされ広大な城のあちこちに封印された――。
それにより城内の魔導融合炉は爆発寸前!!
阻止するにはタナトスの体を集め復活させるしかない。
実験の成功例にして不死身のグランギニョル家長女・イリスは個性豊かな仲間と共に探し回るハメに…。
歪な父娘のアブノーマル愛憎劇、開幕!!
華奢で貧弱なお嬢様・イリスは何度も死にます。
ですが、父・タナトスの人体実験により不死身になっているので、その度に蘇ります。
この不死身だけど弱い。弱いけど、不死身。
というところが遺憾なく発揮されたストーリー展開になっています。
イリスの楽天的で能天気な性格のおかげでシリアス度は低めながら、作中はグロテスクな死に様を幾度となく見せてくれます。
このギャップがいいんですよねえ。
ギャグ要素もスベる寸前の白ける直前の微妙なギリギリのラインをいっているところが、また面白いです。
全体を通して、不思議な雰囲気をまとった奇妙な漫画。
アニメにしても映えるような内容なので、いつかされることを願っています。
そのために、Kindle版しか普段は買わない漫画を、久しぶり(10年以上?)に紙書籍のほうも購入しました。
アニメ化待っています。
以下、本作にあまり関係のない戯言が続きます。
興味を持たれた方は私の感想なんか読まずにぜひ本編を読んでみてください↓↓
不死の令嬢 イリス・グランギニョル
不死のイリスは、膝辺りまである長いブロンドの髪と極彩色の瞳、青白い肌、痩せ細った体、異様に長い手足といった、如何にもな容姿をしています。
この二次元でしか再現できない特徴的な風貌のキャラクターの存在は、ある意味で癒しになります。
世界観を確固たるものにして、有無を言わせない魅力を醸し出せるからです。
実際の世界では、いくら容姿端麗、眉目秀麗、才色兼備な人間がいようとも、自分とは何の関係もありません。
そのうえ、残念ながら、彼ら彼女らも人間です。
人間である限り、年を取り老けるし、食事を摂って、排泄し、眠る必要があります。
どんなに優れた人間であっても、そこからは逃れようがありません。
逆に言えば、人の命を何とも思わない大量殺人鬼や浅学非才な他人の足を引っ張ることしか能のない人間も、同じということです。
人間にとっての優劣とは、結果的には表面上のものでしかないのです。この現代社会においてはですが。
ですから、どんなに理想と言えるような存在があろうとも、自分がそうなろうと粉骨砕身努力したとしても、世界観には何の影響もないのです。
この地球における人間社会という世界観には、全く意味を成さないのです。
優秀・有能な人間、天才と呼ばれる人間がいくらいようとも、戦争はなくならないし、犯罪は起き続けるし、それどころか、いじめさえなくならない。
ある特定のステージだけ見ればキラキラ輝いて見えたとしても、実は世界観の構築には何の役にも立っていないのです。
これに気付いたうえで、生きるかどうかは大きな差異が出てきます。
「所詮、人間だよね」という考え方を卑屈と捉えるか、真に平等な目を持った人間と捉えるかで、世界の見え方は大きく変わってきます。
そして、フィクションにおけるキャラクターの認識も変わってきます。
なぜフィクションなのか。その人間は現実には存在しえないのか。
いや、存在しえないからこそ、魅力的なのだと。
とはいえ、そこに現実の人間が介入してしまっては台無しになります。
さも自分がこの世に生み出したかのように偉そうにする声優やアニメ制作者(二次創作者)は後を絶ちませんよね。
最初にこの世に発生させた、ということに大きな意味があるのです。
(アニメ化してほしいという考えと違う?そんなことありません)
さて、癒しになるという話ですが、それはそこの世界単体で完結し、今自分たちの住んでいる世界が関わる必要もなく、フィクションという世界の中に生きていられるから、その存在を認識できることこそが、癒しになるのです。
本作のイリス嬢は、まさにその存在です。
現実世界の価値観に穢されていません。昨今では、フィクションですらこういう存在は貴重です。
と、私は考えます。
(一体何の話をしているのだろうか……。)
予想のつかない展開
アニメ化してほしいと何度か書いていますが、もしかすると、アニメ化するとテンポが著しく悪くなってつまらなくなる漫画かもしれません。
ギャグ要素で大半が占められている本作ですが、ツッコミとボケのテンポ感を再現しようとすると、非常に難しいかと思われます。
実際、漫画で読むと面白いのに、アニメ化すると面白くなくなる作品はいくつもありますよね。
あの現象は何なのでしょうか。
例えば、漫才をそのまま漫画化します。
すると、おそらく微妙になります。あのテンポ感の中には、場の空気感も含まれるからです。
逆に、漫画で描かれた漫才をアニメ化します。
すると、音や声を想定されていない漫画ならではの表現がなされているのに、それをそのまま映像化しても同様に楽しめるはずはありません。
適材適所というやつでしょう。
本作『カラフルグレー』は、そんな真剣に読むような漫画ではありません。コメディ漫画ですから。
けれど、映像化するにあたっては、絶対に真剣に読み込む必要があります。
そうでないと、このテンポ感を再現できないでしょう。
絵を動かせることが目的なのであれば、それで十分なのでしょうけれども、果たしてそれで面白くなくなっても、同じ作品と言えるでしょうか。
テンポよく予想できない展開だらけで進んでいく本作は、可能性の塊。
しかし、面白さを映像で再現できるのかという不安もあります。
動画が全盛のこの時代にいつまでも漫画が廃れない理由がここにあるようです。
やはり漫画は日本の文化なのでしょう。
漫画でしかできない表現方法。
それを日本人は日夜研鑽し求めているのです。
と、私は考えます。
(一体何の話をしているのだろうか……。)
最近の漫画高すぎ問題
『カラフルグレー』は最終5巻を除き、600円台です。
今の基準で考えるとかなり良心的ですよね。
最近ビックリしたのがついに普通の青年コミックが、900円台に突入していたこと。
少年コミックすら700円台になってました。
しかも、電子書籍ですよ?
いくらなんでも高すぎると思いませんか?
一方、漫画の何百倍もの文字数のある小説は、値上がりしているとはいえ文庫本だとほとんど1500円以下です。
絵がないからといってもこの差は間違いなくおかしいです。
さらに、映像も音もあって、プレイできるゲームはなんと、セールで1,000円未満になることも少なくありません。
ゲームはさすがに値下がりさせすぎです。
インディーゲームでもボイス付きなら2,000円は超えさせるべきだと思います。
(もちろんプレイ時間は考慮されるべきです)
500円で高いと言われるような訳の分からない感想も珍しくありません。
これらを考えると、現在の基準では、漫画はもはや高級寄りの趣味になってしまいました。
1,000円で何十時間も遊べるゲームに比べ、漫画はたったの15~30分で800~900円。
漫画はあまりにも割高です。
そういえば、映画やドラマは?
サブスクリプションに入っていれば、いくら観ても定額ですね。
視聴者はありがたい一方、制作者にちゃんと還元されているのか気になります。
漫画はほぼサブスクはありませんし、今稼ぎたいなら、漫画がベストなのかもしれません。
だから、質の悪いパクリ漫画が持て囃されるような状態になっているんでしょうけど。
今確実にエンターテインメントの崩壊が起こっています。
余裕のない世界では文化から死んでいきますが、まさに現実のものとなっています。
そして、それらが調整できないまま、AIが登場。
当然、悪用されるに決まっています。
現行の法律がまるで追いついていない。
法律の存在そのものが時代遅れになってしまっている。
ということで最近は漫画を買うのは控えています。
でも、『カラフルグレー』は面白いのでおすすめ。
以上、『カラフルグレー』の感想でした。


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