人造人間の美少女「ふらん」は、人体改造が得意!
ブラックジョークとブラックユーモアあふれる傑作ホラーコメディ漫画『フランケン・ふらん』を紹介します。
シンプルに内容をまとめると、身体に問題を抱える人たちの悩みを、ふらんが得意の改造手術でもって解決していく話です。
見どころは、その手術シーン。
グロテスクを通り越した何か、人類の尊厳を侵し尽くした何か、を垣間見ることができます。
いろんな意味でお勧めです。
1シリーズ使えそうなアイデアを1話で消費する豪胆さ
ブラックジャックのコメディ版とでも言えばよいのでしょうか。
そのアイデア、1話しか使わないの?大丈夫?となるくらいに出し惜しみ無しの話がガンガンぶっ込まれてきます。
基本的にはふらんによる改造手術が核となっていて、
手術に至るところから手術がもたらす結果(後日談)までが一連の流れ。
患者にまつわる人間模様が非常に多種多様で楽しめます(楽しめますよ…おそらく)。
ネタの広さは揺り籠から墓場までといった感じで、とにかく衝撃的で圧倒的。
「こんなの誰も思いつかねえよ…」
そんな発想なかった!の連続
特に印象に残ったのは、交通事故にあった少女と虫を合体させ治療する「CHRYSALIS」という話(ちなみに2話です笑)。
序盤からぶっ飛ばしすぎな内容で、一気に引き込まれました。
カフカの「変身」を彷彿とさせるこの話ですが、違うのは、虫になるのが少女であるところ。
芋虫の体に少女の頭だけがくっついている様は、異様そのもので、気味が悪く不気味で奇々怪々、じっくり見ることを全身が拒絶せずにはいられません。
(見開きでね、こうバーン!と視界に入る訳ですよ。脳みそに焼き付きますね、あれは確実に)
にもかかわらず、
なぜか!
読み進めていくと、なぜか愛着が湧いてきて、なぜかかわいく見えてくるのです。
その芋虫少女が。
ああ、おそろしい!
我の心が信じられぬ!
もしかして精神に異常をきたしているのでは?と読んでいて不安になりました。
この狂気度は、ドクラ・マグラを超えるかもしれません。
それくらいに常軌を逸しています。
というような話が全8巻に散りばめられているのです。
まさにアイデアの宝庫。
ネタの豊富さが抜群。
飽きさせないアイデアの連続には、ただただ驚かされるばかり。
エンターテインメントとしての漫画の役割を十分すぎるほど果たしています。
表紙に騙される価値は大いにある
ジャケ買いしてミスった経験がある人にこそ勧めたい『フランケン・ふらん』。
美少女たちが裸でいちゃついている表紙に惹かれて買ってしまうのもたまには悪くありませんよ。
「あはははははっ!騙されたわ!これ!」
と、高笑いしながら、すっと真顔になれることでしょう。
と、ご満悦な表情で笑いながら、表紙から期待できる以上の満足感を得られた喜びに浸れるでしょう。
(こんな迷作があったなんて!)
想像を超えたものが本作にはあります。
まさかこんな内容になっているとは誰も思いもしません。
表紙から妄想した中身をはるかに超える漫画だと自信を持ってお勧めします。
しかし、ホラー(グロ)に慣れていない人はくれぐれも気を付けてください。
手術シーンは一切情け容赦ないですからね。
子供に読ませたらトラウマ確実です。
個人的感想まとめ
コメディの皮を被った人間風刺漫画
『フランケン・ふらん』は、外科技術やグロテスク表現、ぶっとんだアイデアを堪能するのが正しい楽しみ方だと思います。
しかし、根底にあるのは人間に対する憎悪のような気がしないでもないです。
人間を科学的に見るということは、人間を物あるいは実験体として見るかのような冷たい印象を受けがち。
医者はサイコパスが多いらしいですし(そういう気質ではないとやってられないのかもですが)、一般人にはそう思われても仕方ないのでしょう。
しかし、人間だからこそ人間が好きだからこそ、しっかり理解して本質を見ようと知識を増やす。
それこそ人間を知るということではないでしょうか。
上辺だけの感情重視の非論理的な思考は、決して人間的ではなく、
むしろ、人間の首を真綿で絞めるような不利益を後々にもたらします。
感情論だけで、人間を理解した気になって、常識人のフリをして、
人を思いやることのできる自分はなんて偉いんだすごいんだ!
人は幸福に生きられて当然なんだ!
生きることこそが正しいんだ!
と無意識のうちに思い込んでいる人間のほうが、まさにサイコパスで狂人なのではないか、とさえ思います。
昨今の社会情勢から鑑みるに、この考えはそれほど大きなズレはないのでは。
あなたは人間ですか?
そう問われているような気がするのはあながち間違いでもないでしょう。
また、私だけの独り善がりな諦観でもないでしょう。
もしくは、
所詮人間なんてこの程度の生き物ですよ、
と俯瞰的に見ることで、あまり深刻に思い詰めすぎないようにね、という遠回りな優しさが込められているのかもしれません。
いろいろなことを考えさせられる「フランケン・ふらん」。
続編シリーズも出ていますし、今後もその世界に引き込まれそうです。
以上、『フランケン・ふらん』の感想でした。
1シリーズ使えそうなアイデアを1話で消費する豪胆さ
ブラックジャックのコメディ版とでも言えばよいのでしょうか。
そのアイデア、1話しか使わないの?大丈夫?となるくらいに出し惜しみ無しの話がガンガンぶっ込まれてきます。
基本的にはふらんによる改造手術が核となっていて、
手術に至るところから手術がもたらす結果(後日談)までが一連の流れ。
患者にまつわる人間模様が非常に多種多様で楽しめます(楽しめますよ…おそらく)。
ネタの広さは揺り籠から墓場までといった感じで、とにかく衝撃的で圧倒的。
「こんなの誰も思いつかねえよ…」
そんな発想なかった!の連続
特に印象に残ったのは、交通事故にあった少女と虫を合体させ治療する「CHRYSALIS」という話(ちなみに2話です笑)。
序盤からぶっ飛ばしすぎな内容で、一気に引き込まれました。
カフカの「変身」を彷彿とさせるこの話ですが、違うのは、虫になるのが少女であるところ。
芋虫の体に少女の頭だけがくっついている様は、異様そのもので、気味が悪く不気味で奇々怪々、じっくり見ることを全身が拒絶せずにはいられません。
(見開きでね、こうバーン!と視界に入る訳ですよ。脳みそに焼き付きますね、あれは確実に)
にもかかわらず、
なぜか!
読み進めていくと、なぜか愛着が湧いてきて、なぜかかわいく見えてくるのです。
その芋虫少女が。
ああ、おそろしい!
我の心が信じられぬ!
もしかして精神に異常をきたしているのでは?と読んでいて不安になりました。
この狂気度は、ドクラ・マグラを超えるかもしれません。
それくらいに常軌を逸しています。
というような話が全8巻に散りばめられているのです。
まさにアイデアの宝庫。
ネタの豊富さが抜群。
飽きさせないアイデアの連続には、ただただ驚かされるばかり。
エンターテインメントとしての漫画の役割を十分すぎるほど果たしています。
表紙に騙される価値は大いにある
ジャケ買いしてミスった経験がある人にこそ勧めたい『フランケン・ふらん』。
美少女たちが裸でいちゃついている表紙に惹かれて買ってしまうのもたまには悪くありませんよ。
「あはははははっ!騙されたわ!これ!」
と、高笑いしながら、すっと真顔になれることでしょう。
と、ご満悦な表情で笑いながら、表紙から期待できる以上の満足感を得られた喜びに浸れるでしょう。
(こんな迷作があったなんて!)
想像を超えたものが本作にはあります。
まさかこんな内容になっているとは誰も思いもしません。
表紙から妄想した中身をはるかに超える漫画だと自信を持ってお勧めします。
しかし、ホラー(グロ)に慣れていない人はくれぐれも気を付けてください。
手術シーンは一切情け容赦ないですからね。
子供に読ませたらトラウマ確実です。
個人的感想まとめ
コメディの皮を被った人間風刺漫画
『フランケン・ふらん』は、外科技術やグロテスク表現、ぶっとんだアイデアを堪能するのが正しい楽しみ方だと思います。
しかし、根底にあるのは人間に対する憎悪のような気がしないでもないです。
人間を科学的に見るということは、人間を物あるいは実験体として見るかのような冷たい印象を受けがち。
医者はサイコパスが多いらしいですし(そういう気質ではないとやってられないのかもですが)、一般人にはそう思われても仕方ないのでしょう。
しかし、人間だからこそ人間が好きだからこそ、しっかり理解して本質を見ようと知識を増やす。
それこそ人間を知るということではないでしょうか。
上辺だけの感情重視の非論理的な思考は、決して人間的ではなく、
むしろ、人間の首を真綿で絞めるような不利益を後々にもたらします。
感情論だけで、人間を理解した気になって、常識人のフリをして、
人を思いやることのできる自分はなんて偉いんだすごいんだ!
人は幸福に生きられて当然なんだ!
生きることこそが正しいんだ!
と無意識のうちに思い込んでいる人間のほうが、まさにサイコパスで狂人なのではないか、とさえ思います。
昨今の社会情勢から鑑みるに、この考えはそれほど大きなズレはないのでは。
あなたは人間ですか?
そう問われているような気がするのはあながち間違いでもないでしょう。
また、私だけの独り善がりな諦観でもないでしょう。
もしくは、
所詮人間なんてこの程度の生き物ですよ、
と俯瞰的に見ることで、あまり深刻に思い詰めすぎないようにね、という遠回りな優しさが込められているのかもしれません。
いろいろなことを考えさせられる「フランケン・ふらん」。
続編シリーズも出ていますし、今後もその世界に引き込まれそうです。
以上、『フランケン・ふらん』の感想でした。
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