『かけあうつきひ』は、漫才師を目指す親友2人の同居コメディー。
高校卒業後、親元を離れ上京してきた陽(よう)と月(つき)。
六畳一間で共同生活をする2人の掛け合いが楽しい日常漫画です。
作中の漫才も漫画としても面白く、いつアニメ化ドラマ化してもおかしくないクオリティ。
気軽に楽しく読める漫画なので疲れた時におすすめです。
『かけあうつきひ』どんな漫画?
有戸月(ありとつき)と上狛陽(かみこまよう)は東京の格安アパート六畳一間で共同生活をしながら、漫才師を目指して下積みの日々を送っていた。
福井セイ氏による週刊少年サンデーで連載していた漫画作品で、6巻で完結済みです。
漫才師を目指す漫画ではありますが、2人の日常での掛け合いがメインとなります。
「人を笑わせて飯食ってる俺らって神様なんじゃね?」っていう思想はありません。笑
18、19歳の2人が頑張っている姿を微笑ましく見守りながら読む漫画です。
漫才をテーマにした作品はいくつかあれど、そのどれもが何か脂っこい気がしませんか。
本作にそんなギトギトした感じは全くなく、常にさわやかですので安心して読めました。
メンタルが疲れている時にこそ読んでほしいですね。
あと、多少漫才みたいな掛け合いがやりたくなります。それは私だけか…。
ツッコミ不在のボケなんか、ただの変人なんですよ…。作中でもそんな話が出てきますが。
漫才だろうが何だろうが、気の置けない友人がいるのは良いことです。
気になった方はぜひ読んでみてください。
2人で2日間300円の食費、何を食べるか
バイト代が入るまで2日間、2人で残金300円。何を食べて乗り切るか。
1話目からこの話題で始まるほど困窮した生活を送っている2人。
うら若き2人の乙女がこんな生活してるなんて見るに堪えません。笑
実際、栄養足りてないと余裕で体壊しますからね。漫才どころか、まともに日常生活すら送れなくなります(経験者は語る)。心配のほうが勝る導入です。
もちろん、漫画的なコメディ的な視点で見るべきだしこのツッコミは野暮なんでしょうけど、この生活続けるのは物理的に無理だぜ?笑
私のように「空腹を楽しめる」境地にまで行けば、極限まで食費は節約できます。
でも、そんなことしても何の意味もないんですよ。何らかの活動をするならエネルギーは摂取しないと、パフォーマンスを発揮できませんからね。
とはいえまあ、この2日間だけに絞って見るのであれば余裕です。
1人で150円より2人で300円のほうがはるかに食材は買いやすいですし、2日間くらいなら余裕で乗り切れます。
でもこの2人、まさかの刻みネギとごま油を買うんですよ。笑
自炊していれば普通にある程度の量を食べても1日の食費500円以下は問題なく可能です。
(デスクワークしかやってなくて、運動も何もやってなければ、それくらいのカロリーで十分OK)
刻みネギ買うより、普通のネギ買って刻んだほうが絶対にコスパ良いです。同じくらいの値段で5~8倍くらいの量のネギが手に入りますし。
それに、1回で使い切れないごま油を買うのはナンセンス極まりない。
下積み生活=貧乏を分かりやすく表現したいんでしょうけど、そんなことやってると貧乏時代を自慢するようなお笑い芸人になっちゃうぜ?と不安になりました。
お金がないお金がないとか言いながら、平気で毎日コンビニ弁当買ってる奴とか、
スマホは平気でキャリアと契約し月1万考えなしに払ってる奴とか、
今この世の中で満足にお金を得られないのは多少仕方ないにしても、無駄を省かずにだらだらと生き延びてしまっている奴のせいで、どんどん税金上がるんですよ。
「はは、お前らその程度の給料でも生活できてるじゃん。よしそれなら、もっと切り詰めても問題ないよな!」という感じで。
実際、全国民がお金持ちになれないのは確定なのだから、上級国民&公務員を除く全員で一致団結して皆で生活保護をもらいに行く(誰も仕事をしない)くらいのことしないと、何も変わらないんですよねえ…。
少なくとも10代はお金がなくても、他の何を削ってでもしっかり食べたほうが良いです。
下積みしていて貧乏でも耐え抜ける!かどうかは関係ありません。体は資本ですからね。
(今の若者は栄養に関する知識もないことが多いからなあ。何を食べたら栄養的に大丈夫かも知らない。親が食事に気を遣う脳みそがないせいで、最近子供の平均身長が下がってきてるという…)
清貧に甘んずるのは立派なように見えますが、選択肢がそれしかない状態でその状況になるのは、清貧でもなんでもありません。お金を持っているけれど敢えてそれをできる人間だけが趣味でやることです。
お笑い芸人は特権階級?
お笑い自体は嫌いではありません。一時期流行っていた時はよく見ていましたし。
今どういう芸人が新たに出てきているかは詳しくは知りませんが、面白くないお笑い芸人って「サッカーできないサッカー選手」のようなものですからね。
存在自体がおかしい成立してはならないものなんですよね。
よくお笑い芸人は「素人」という言葉を使います。まあ、これはまだいいでしょう。お金を稼げているプロからしたら、お笑い芸人ではない人は間違いなく素人ですから。
しかし、お笑い芸人ではない人に対して「一般人」と呼ぶのは何様のつもりなんでしょうか?笑
これは傲慢オブ傲慢です。自分たちを王族か皇族か何かと勘違いしているのでしょうかね。
所詮ほとんどのお笑い芸人が、事務所に所属して会社にお給料をもらっているサラリーマンでしかないのに。君らは君らの言う一般人となんら違いはないよと言いたくなります。
まあ、面白さが絶対的な数値で測れるのならそれは認めますけどね。
面白過ぎてスカウター壊れるようなお笑い芸人のネタとか見てみたいですし。笑
何と言っても日本は特に、どこかしこにお笑い芸人が登場しすぎです。場をわきまえろよと。政治に口出す奴もいる始末ですからね。
面白い時はいいんですよ。でも、面白くない時って単なる不愉快な存在でしかないんですよ。
面白くないお笑い芸人は「料理できない料理人」と同じ。意味不明な存在。
「お笑い芸人は人を笑わせる仕事じゃねえ。人に笑われる仕事なんだ!」
この志を持って謙虚になってほしいですね。
お笑いに肯定的なことが必ずしも良いこととは限りません。
この日本社会は特にそう。真剣に話し合うべきこともそれで誤魔化す傾向にあります。
「一笑に付す」ことで目をそらすな。
お笑いで面白い面白くないの違いとは
まず自ら笑いを求める生き物っておそらく人間だけだと思います。
でも確かイルカは遊びでいじめをすることがあるようです。しかも楽しみながら。
これには共通点があると考えられます。
ある程度知能の発達した生き物でないと、お笑い(面白さ)は求めないのです。
イルカはいじめが面白いと感じているからやっています。退屈しのぎのためか何なのかは分かりませんが。
でも、イルカの世界にいじめが悪いなんて概念はありません。
なぜこの世からいじめがなくならないのか理由がここにあります。そう、面白いからです。
弱者をいたぶることに楽しさを見出すのが、(ある程度知能の発達した)生き物の性なのです。
「人を傷つけない笑い」が求められるような時代になっていますが、本質は変わりません。
「お笑い」というオブラートに包むことで、本質的に備わっている嗜虐性を社会に溶け込ませる。そして、発散させることがお笑いの狙い。
だから、ここまでお笑いというものが人口に膾炙しているのです。
お笑いを好む人間は、おそらく嗜虐欲を発散できずに欲求不満状態になっている可能性が高いと考えられます。
実際、お笑い芸人がネタとしてやっているから楽しめるだけであって、いざ自分が笑われる側になったらどうでしょうか?その時も同じように笑えますか?
あり得ませんよね。当人からしたらいじめそのものに他なりません。
つまり、そういうことです。
自分が第三者であるから楽しめるだけなのです。
お笑いというものが、日常になく、あくまでフィクション作品のように、壇上(机上)にだけ存在するのであれば、それは崇高なものなのかもしれません。
が、サッカーも料理もプロでなければできないものではないことと同じように、お笑いとはありふれたもの。
いわば、第三者(いじめられ役)になり客観的に楽しませる(嗜虐心を満たす)ための存在が、お笑い芸人なのです。
面白いか否かは、嗜虐欲を発散できるかどうか、その質あるいは量の違いでしかありません。
お金払ってまで笑いに来ている人間を笑わせて満足か?
基本的にお笑い芸人が笑わせる対象って、「笑うためにお金を払ってまで足を運んできている人間」なんですよ。
よし!今日は絶対に笑わないぞ!と覚悟を決めてくる人なんかいませんよ。むしろ逆で今日も大笑いするぞと思ってきている人がほとんどです。当然。
<客を絶対に笑わせないお笑い芸人>とか出てきたら面白いですけどね。まあ無理なんだけど。
笑いに来ている人間を基準に面白い芸人かどうか決めるって客観性に欠けます。
例えばどんな音楽バンド(アーティスト)でもファンが全くいないってないですよね。
自分が全く興味なくても、ライブには大勢のファンが詰めかけます。
人気だからといって聴いてみても、何が良いのか全く分からないなんてことは誰でも起こり得ることです。
お笑い芸人もそれと同じ。
その理屈で言えば、どんな芸人のネタだろうが面白いと感じない人間がいてもおかしくありません。
実際、日本で日常的に音楽を聴く人間は、50%くらいしかいないそうです。5割は音楽と全く無縁の生活を送ってるんですよね。
ましてや、それがお笑いとなると、20%に満たないんじゃないんですかね。8割はお笑いに全く興味ないんですよ。
音楽もお笑いも若者文化だから「自分の周り」とかいう何の根拠もない矮小な世界であれば、興味持っている人が9割超えるのかもしれませんが。
つまり、音楽もお笑いも生きるのに必要ないんですよ。
にもかかわらず、上のほうで書いたように、特定の一部にチヤホヤされているだけで、大金を稼げている状態が異常なのです。特にこの余裕のない日本でね。
全く笑う気のない人間を笑わせてみろ。
それができて初めて真のお笑い芸人と言えるでしょう。
こんなことばかり書いてると、お笑い芸人に恨みでもあるんですか?とか思われそうですが、そんなことありません。「お笑い」は好きですよ。念のため言っておきますが。
さて、何か色々と書き連ねましたが、これらは『かけあうつきひ』とは一切関係ありません。
『かけあうつきひ』は非常に面白いのでぜひ読んでみてください。
以上、『かけあうつきひ』の感想+αでした。
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