『慟哭 そして…』(PS4)のプラチナトロフィーを取得したのでレビューします。
本作は、1998年にセガサターンで発売された作品のリマスター版で、ジャンルは恋愛サスペンスアドベンチャーゲーム。
「脱出ゲーム」「恋愛ADV」「サスペンス」「謎解き」を融合させた名作として、当時から評価が高かったようです。
オリジナル版未プレイの私が感想メインで評価してみました。
PS4、PS vita、Switchでプレイ可能です。
プレイ時間:25時間ほど
概要 『慟哭 そして…』について
あらすじ
そして目覚めると見知らぬ廃屋の一室に、一人で閉じ込められていた。
主人公を運んできたのは、いったい誰なのか。
バスに乗っていたクラスメイト、学校の先生、怪しげな老人はどうなったのか。
廃屋のなかには、他にも迷い込んできた人々がいる。
大学生の男、旅行に来た少女たち、中年の男性、異国の少女、影のある女性…。
それぞれの理由があってきた彼らは、何者かの策略によって、殺人事件の犠牲者になっていく。
隠された死体、血だらけのメモ、裂かれた写真…。
廃屋にあるものは、いったい何を意味するのか。
巧妙に張られた罠を解き、主人公は廃屋にいる少女たちを助ける事が出来るだろうか?
引用:公式サイト
あらすじを読むと非常に面白そうな雰囲気が漂っていますね。
サスペンス好きには興味惹かれる導入なのではないでしょうか。
システム
しかし、このゲームは主に「脱出アドベンチャーゲーム」でした。
私はストーリー重視のノベルゲームに近いイメージでプレイしてしまったのが、間違いだったのかもしれません。
廃屋内をポイント&クリックで探索して、アイテムをかき集め、少女たちを救いつつ、脱出を図るゲームとなっています。
脱出6、恋愛ADV3、サスペンス0.5、謎解き0.5
くらいの割合。
間違ってもミステリーではありません。
謎解き要素も、脱出するために膨大な数のアイテムの使い道を模索するだけで、犯人は誰か考える推理的な場面は一切ないです。
探偵となって犯人を名指ししたい方には、あまりお勧めできないゲームとなっています。
キャラクター
肩幅が広い!
…
時代を感じるキャラクターデザインですね。
オリジナル版のイラストから着色を変えただけのようで、懐かしさを感じられます。
今となってはこんな屈強な体格をした美少女キャラクターはいませんから、逆に新鮮さを味わえました。
ゲームを進めると肩幅の広さにも慣れてきて、可愛く見えてくるのが不思議。
そう思い込まないとやってられなかったのかもしれません。
以上、『慟哭 そして…』の簡単なゲーム紹介でした。
以下からは、個人的な感想になります。(上でも感想入ってるけど)
難易度が高すぎるというより…
このゲーム、非常に難易度が高いです。
自力で全てのエンディングに到達するのは不可能と言ってもいいくらいのレベルです。
リマスター版では新たにヒントモードが追加されていますが、それを利用すると負けた気分になるので、2周ほどはヒントなしでやることに。
結果、
1周目は、とりあえず脱出。しかし、どのキャラのルートにも入らず
2周目は、先生エンド
となりました。
「行けと指定された場所にあえて行かず別の部屋に入る」や「イベントをあえて起こさずスルーする」など、ひねくれた行動をしないとフラグを立てられないことが多く、フラグ管理が異様に難しいです。
どのタイミングでどのキャラクターがどの部屋にいるのか、
ひとつひとつメモしていけば、なんとか幾つかのルートは見れるのかもしれません。
が、正直なところ、そこまでの労力に見合うゲームではないと感じました。
先生エンド到達後は、ヒントモードありにしましたが、これでも全員のエンド到達は非常に厳しいのでは?
めげずに自力でクリアしようとすると、絶対に飽きて放置するパターンのやつだ。
と思い、結局、攻略サイトを参考にして全ルートを見ることに。
…的確な判断でした。
このゲーム攻略を見ながらやっても、非常にだるかったです。
(こんな奇怪で素っ頓狂な動きしないといけないのか!となること間違いなし)
ある程度自力でやったら攻略を見て進めることをぜひともお勧めします。
攻略を見たとしても、ネタバレはほとんどありませんからね。
(ネタバレされても痛くも痒くもない…)
望遠鏡の場所で絶望的に萎えた
とあるイベントで、望遠鏡を探すシーンがあります。
私はそこでこのゲームに対しての興味を著しく失いました。
一つの部屋で望遠鏡を探すのに30分以上かかってしまったのです。
それでゲームの趣旨を勘違いしていたことに気づき、一気に興味を失い、絶望的に萎えました。
(先生も一緒に探してくれよ…!)
あれは分かりませんでしたね。
あんな場所にダイヤル式の鍵があって、それを開けた中にあるとか…。
端から順番に総当たりクリックしてようやく見つけられました。
(ドラクエ2の稲妻の剣よりも苦労しました)
しかも、望遠鏡を探すイベントに入った時だけしか、そのダイヤル錠を見つけられないというのも難しさに拍車をかけています。
典型的な昔のゲームならではの理不尽さですね。
わしはね、謎解きに苦戦したいんじゃよ…。
(でも、謎解きなんて無かったよ)
おまけに、ダイヤル錠の初期値は「5963」です。
5963
ごくろさん
ごくろうさん
…ご苦労さん!?
確信犯じゃないか!
やっぱりわざと見つからないように隠してやがった笑
意地が悪いなーもう(棒)
ストーリーが非常に薄い
『慟哭 そして…』なんていう意味深なタイトルですが、それに見合うようなストーリーは一切期待しないほうがいいです。
そもそも、何が慟哭で、何がそして…だったのでしょうか。
アイテムを見つけて苦労してフラグを立て、少女たちを救ったところで、その先に何かある訳ではありません。
少しだけ少女たちと仲良くなって終わるだけです。
閉じ込められる必然性も、苦労して脱出した達成感も何もありません。
謎が明かされても、驚きも何もありません。
私はこのゲームのどこを評価すればいいのか、最後まで分からず仕舞いでした。
パンツ観察ゲーム
本作には、無駄に用意された数多くのパンチラシーンがあります。
断言してもいいくらいです。
このゲームは、「パンツ観察ゲームだ!」と。
終始、必要性がほとんどない少女たちのパンツシーンで溢れています。
パンツの見えないイベントスチルのほうが少ないです。
少女の危機的状況下でも、パンツをクリックして反応を楽しむことができます。
これらはストーリーに水を差す邪魔なお色気シーンかと思いきや……、
ストーリーには何も惹かれるものがないので、途中から館中を少女のパンツ求めて歩き回るゲームと化しました。
今どきの絵とは違う、独特の風合い漂うイラストだからこそ、感じる高揚した気分。
なつかしさ味わえる、昭和のかほり。(発売は平成)
そういったものに惹かれるなら、間違いなく満足度の高いゲームとなるでしょう。
どいつもこいつも歩き回りすぎ
あと気になったのが、どいつもこいつも歩き回りすぎ問題。
今作のキャラは誰一人として、同じ場所にじっと留まっていません。
殺人犯が潜む館内をうろうろ考えなしに歩き回りやがります。
どころか、話しかけるとドタバタと足音を立てて走り去りやがります。
主人公の幼馴染がある部屋に閉じ込められたときは安堵しました。
ずっとそこにいろよ!
ホラー映画で最初に死ぬ奴
が大勢集まった感じです。
途中から助けに行くのも面倒になりました。
主人公を困らせて楽しんでいるのではないか?
とさえ思えてきます。
廃屋で行われている壮大なドッキリなのではないか?
と疑心暗鬼になってきます。
ほんと主人公は良いやつだよ。
そりゃあ、パンツくらい見たってバチは当たらねえよなあ。
オリジナル版プレイ済みだったら楽しめたかも
今作は、オリジナル版プレイヤーが懐かしみながらやるゲームのような気がします。
最近のゲームに慣れている新規プレイヤーはおそらく楽しめません。
少なくともパンツゲームだと割り切るしか、楽しむ手立てはないでしょう。
私の場合、「難しい」のベクトルが想定していたものとまるで違っていたのが、プレイ意欲を減退させた大きな要因です。(主に望遠鏡のせい)
パンツシーンを求めて血眼で館を徘徊しだす中盤以降。
「私は何をやっているんだ?」
という思いにとらわれながらも、パンツのおかげでとりあえずはプラチナトロフィーを取得できました。
<嵐の孤島><吹雪の山荘>からは程遠いし、サスペンスと言えるかも微妙です。
女の子とのイチャイチャとパンツを楽しむゲームだと割り切れば、そこそこ楽しめるのではないでしょうか。
パンツ大好きな紳士にはおすすめです。
以上、『慟哭 そして…』のレビューでした。
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