『Alan Wake Remastered』(PS5)をプレイした感想と評価/レビューです。
『Alan Wake』は、2010年にXbox360で発売した、ベストセラー作家アラン・ウェイクが主人公のホラーTPSゲーム。
2の評判が良いらしく興味が湧いていたところ、ちょうどフリープレイで来ていたのでプレイしてみました。
真に続編を楽しもうと思うならば、やはり前作を知っていてこそですからね。
今作自体は前々から気になっていたゲームですが、PS3では発売しておらず断念していたので、ありがたかったです。これぞ正しいフリープレイの使い方でしょう(続編の売上アップに大いにつながったはず)。
まあ、結論から言えば、「2013年頃までにプレイできていればなあ…」という感じでした。笑
2に期待します。
プレイ時間:10時間
概要『Alan Wake』のあらすじとシステム
数々の賞を受賞したこの映画のようなアクションスリラーでは、問題を抱えた作家アラン・ウェイクが行方不明の妻、アリスの必死の捜索に乗り出します。身に覚えがないながらもアランは自分が書いたらしいホラーストーリーのページを見つけます。そして迫り来る闇の中で、アランの現実を把握する力が脅かされます。架空のホラーストーリーが現実になるのです。
本作を簡単にまとめると、スランプに陥った作家が休暇先で行方不明となった妻を見つけるために奔走する物語です。
スランプから来る悪夢なのか、作家特有の想像力による妄想なのか、それとも、現実に起こっている悲劇なのか。
プレイヤーはアランと同じく、誰を信じればいいのか、何がどうなっているのか分からないままに、プレイを続けることになります。
物語への没入感、アランとの一体感といい、不安定な精神状態に感情移入させる仕組みはさすがでした。作家を主人公にしているだけあって、非常に細かく配慮されています。
今や定番となった、主人公の背後視点で、銃を構えて、狙って撃つ、というTPSジャンル。
2010年当時はまだそこまで主流ではなく、TPSとくにホラーTPSに関しては数が少なかったように思います。
しかし、TPS作品が溢れている今となっては、そして、ホラー作品も腐るほど溢れている昨今では、今作『Alan Wake』は物語としてもゲームとしても、少々退屈に感じました。
当時プレイできていれば、確実にハマっていただろうに……。もったいないことをしたかもしれません。
ただし、2の評価を見る限り(ネタバレを防ぐためにPS Storeの星の数だけの判断だけど)、とてつもなく進歩・進化していることは疑いようがないので、2が気になっている方は本作をプレイしてみても損はないでしょう。
私もいずれ2はプレイしようと思っています。
評価点・良かったところ、気に入ったところ
古臭さは感じない
リマスターとはいえ2010年のゲームだからもっと古臭い印象を受けるかと思いましたが、そんなことはありませんでした。
ムービーの演出や背景描写が優れているおかげでしょう。確かに2010年にこの映像表現であれば、絶賛されて然るべきといったクオリティ。
この時はちょうど「洋ゲー」が日本で一般に流行り始めた頃くらいですかね。
『DEAD SPACE』もこのくらいの時期だったかな。そう考えると、この時からゲームはグラフィック以外はあまり進化していないように思えます。
ああ、だから最近はリマスター・リメイクが全盛なのかもしれません。
もう新しい表現方法を生み出せなくなっているのでしょう。
逆に、大昔の表現(ゲームシステム/ジャンル)を今のグラフィックで作り直すと、「斬新ですごい!」「革新的!」「こんなゲーム今までなかった!」なんて賞賛されてますしね。どのゲームのことを言っているのかは書きませんが。
ゲームは変わらずともプレイヤーは変わることをうまく利用できていて商売上手なのでしょうが、でもこれだと先細りするだけなんですよ。
VRが流行るにはまだまだ時間かかりそうですし、最低でもあと4、5年はこんな感じが続きそうです。
スタンダードなTPSスタイル
アランを襲ってくる影の敵は、光が弱点。フラッシュライトで足止め&影のバリアを剥がした後、銃で撃つ。
その繰り返しで簡単に排除できます。集団で襲われた時は囲まれないように注意すればさほど難しくはありません。
武器は、リボルバー、ライフル、ショットガン、フレアガンなど。閃光手榴弾や発煙筒など光を発する道具は強力な武器になります。
スタンダードなTPSスタイルで、安心してプレイできました。これぐらいシンプルなほうが落ち着きますね。
それに、アランは軍人でもなく、肉体的には普通の男ですからね。体術とかは求めません。
スタミナはちょっとばかし少なすぎのような気がしますが。笑
主人公が軍人や警察なのに、体術すらできなくてアランと同じ動きしかできなかったら、当然文句言いますけどね。どのゲームのことを言っているのかは書きませんが。
プレイヤーに先を読ませる展開
これは非常に新しいなと感じました。これぞAlan Wakeなのかもしれません。
行く先々でアランが書いたと思われる原稿が落ちているのですが、それにはなんとこれからの展開が全部書いてあるのです。ゲーム自体がストーリーをネタバレしてしまっているのです。
はじめは、原稿の通りの展開になってしまうと驚きがなくて残念に感じさせるだけじゃないか?と思っていました。が、進めていくうちに、原稿が秀逸なチュートリアルになっていることに気が付きました。
プレイヤーに「○○をしろ」「○○を倒せ」といった目的をゲーム的(画面内)に情報として知らせなくても、すでに原稿を読んでいるプレイヤーはその場面になった時に何をすればいいのか説明されなくとも瞬時に分かります。
これによって、プレイヤーは「説明」でプレイが寸断・邪魔されなくなり、ストーリーへより没入できるようになっているのです。
さらに、アランに起きる出来事だけでなく、他のキャラクターの動向や心情も小説のように描写されているため、個別のムービーを挟むことなく、なぜその人物がここにいるのか、なぜ手助けしてくれるのか、なども把握できるようになっています。
これを思いついたのは本当にすごいと思います。ネタバレをこういう風に利用するとはさすがですね。
しかし、非常に残念なことに、原稿の取り逃しが発生すると意味なくなるんですよ。笑
最高難易度のナイトメアでしか取得できない原稿もあるみたいですし。うーん、今からナイトメアをプレイする気にはなれないしなあ……。
残念なところ・気になったところ
日本語吹き替えオンリー
アラン・ウェイクはアメリカ人です。ちゃんとゲーム制作時に英語話者がセリフを読んでいます。
なのに、なぜにそれをわざわざ日本人の吹き替えで台無しにしてしまうのか。
英語音声を選べはしますが、ムービーでは強制的に日本語吹き替えになります。本当に理解不能です。
スパイダーマンもそうでしたが、アメリカ人が主役でアメリカが舞台なんだから、英語話してないと気持ち悪いんですよ。
海外ドラマや洋画も日本語吹き替えで観る層は一定数いるみたいですが、合わせなくていいんですよ、そいつらに。とにかく日本語か英語を選べれば何も問題ないのに。というか、他の大抵のゲームは選べるでしょ。
これで本作に対する印象が悪くなりました。
目的地までが長すぎる&敵がワンパターン
山を登ったり森を抜けたり似たようなステージが多すぎます。だらだらと長すぎます。
そのうえ、敵の種類が非常に少ないです。通常タイプ、巨漢タイプ、高速移動タイプしかいません。あとカラス。
質の高いストーリーを楽しむつもりで始めたのに、やらされるのは単調な戦闘と退屈なハイキングですからね。
割と本気で途中飽きてきました。
ストーリーが謎のまま進み過ぎなのも問題です。続きが気にならない!笑
物語としては、
くらいが理想ですが、今作は、
といった感じ。
…ストーリーに期待しすぎましたね。
すべての原稿を取得すれば謎は解明されるのかもしれませんが。
アランの位置が右側
アランが基本画面の右側にいるせいで非常にプレイしにくかったです。
右に武器のUIがあるから左側にアランがいてくれるほうが、左右から挟み込むように中央を見れるので画面配分的にもTPS的にも好みなんですけどね。
R3で一応ちょっとだけアランを左側に寄せられますが、イベント終了後や戦闘中にすぐ右側に戻ってしまいます。
アランが右にいるならUIは左にしてくれないと、収まり悪いですよ。画面の左下1/4がぽっかり何もない状態になってますからね。
アランの位置は最後まで気になりました。
まとめ:とにかく2をプレイしてから判断したい
今回のレビューだけだと2010年のゲームに今更何を言ってるんだ?という状態になっているので、とりあえず『Alan Wake2』をプレイしてから色々と判断したいと思います。
単純に面白くなかったで済ませてもいいんですけど、続編がある場合においては、遡及的に今作の評価が爆上がりする可能性もありますからね。
「なるほど、あれが伏線だったのか!?」みたいな驚きを味わいたいです。頼む、想像や妄想で終わらせてくれるなよ……!
幸い2に関する原稿は拾っていないので、先読みすることはできません。PS Storeの商品ページに書いてあることくらいにとどめています。小説にネタバレは厳禁ですからね。
まあ、なんにせよ、面白いであろう未プレイのゲームがあるというのは幸福なことかもしれません。
以上、『Alan Wake Remastered』(PS5/Switch)のレビューでした。
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