画家の狂気的な精神世界を彷徨うホラーゲーム『Layers of Fear(レイヤーズ オブ フィアー)』(PS4)のレビューをします。
発売当時からホラーマニアの間で話題になっていた本作ですが、ようやくプレイすることがでました。
発売(2016年)からだいぶ経つ作品ですので、評価らしい評価ではなく、ゲームの紹介とシンプルな感想をまとめています。
もっと早くプレイしておけばなあ…。
- ホラーゲーム大好き
- 病んだ画家の精神世界を探索したい
【概要】Layers of Fearとは?
「Layers of Fear(レイヤーズ オブ フィアー)」は、2016年2月16日発売のDL専用ゲーム。
Steam、PS4、Switchでプレイできます。
探索とストーリーに重点が置かれた一人称視点のサイケデリック・ホラーで、世界中のホラーゲームマニアから高い評価を受けました。
独特の恐怖演出と美麗なビジュアルが特徴。
画家の狂気的な精神世界を、絵画を完成させるため彷徨います。
いくつかの謎解きをしながら歩き回るだけで、アクション要素は皆無なので、アクションが苦手な方も安心です。
病んだ画家の精神を探索したい気分の時におすすめ。
【探索】妻子持ちの中年男性、自宅で迷子になる
狂った画家の精神世界をひたすらに探索していきます。
画家ならではの幻覚や恐怖演出は細部にまでこだわられており、そのバリエーションの多さには驚くばかり。
絵画が不気味に変容していく演出は、グラフィックの美麗さも相まって、気持ち悪くも見入ってしまうほどでした。
目の前を人影が横切ったり、暗がりに潜む何かを見てしまったり、狭い部屋に閉じ込められたりなど、人の根源的な恐怖心を刺激する現象も余すところなく発生します。
ビックリポイントも豊富なので、ホラー慣れしていないと心臓に大きな負担をかけてしまうかもしれません。
ヘッドホンでやるとさらに臨場感が増します。おすすめ。
【物語】画家は心もテレワーク
ゲーム内の文書や思い出の品を集めていくと、ストーリーが次第に明かされ画家の過去が紐解かれていきます。
が、収集アイテムは非常に多く、その割に取り逃してもきっちり集めても、物語の詳細ははっきりとは言及されません。
曖昧で不明瞭な部分ばかりのため、想像でカバーする必要があります。
ホラー作品に明確なストーリーは要らない派なので、この点は特に気になりませんでしたけれども。
いかに余白に思いを馳せられるかによってストーリーに対する評価は変わると思います。
想像の余地があることを楽しめなければ、消化不良で気に食わない話に思えるでしょう。
画家の狂気に興味関心を持てるかがカギです。
マルチエンディングなので周回は必須。
しかし、エンディング分岐条件も明言されないため、自力での真エンディング到達は困難を極めます。
【音楽】気分サゲサゲで逝くよ!
物悲しい、という表現がぴったりの雰囲気抜群のBGMが流れます。
ホラーゲームでありながら、本作のイメージを高尚なものに仕立て上げているのは、間違いなくBGMのおかげ。
世界観を構築するのに大きな割合を占めています。
サイレントヒルに近い雰囲気です。
いわゆる雰囲気ゲームなので、合わなければつまらなく感じますが、合う人はとことんハマるでしょう。
最初のタイトルで流れる音楽に特に何の興味も惹かれない方には、あまり合わないゲームかもです。
【言葉】カッコつけすぎると後がもたないよ
レイヤーズオブフィアーで一番印象に残ったのは、
どんなホラー演出でもなく、BGMでもなく、ストーリーでもなく、
プロポーズのセリフです。
「この世で最も美しい芸術作品に自分の名前がついていないなんて、考えただけで死にたくなる」
と言った後、
「だから、私と結婚してくれないか?」
と続くんですけど、これは画家にしか言えない。キザすぎる。カッコつけすぎ。
自分の名前がついていないなんて!!
考えただけで死にたくなる!!!
最初に見栄を張りすぎるから、あとが続かないんだよ。
竜頭蛇尾?盛者必衰?諸行無常?
ともかく、このプロポーズのセリフだけ見ても、この主人公、この時からすでに自分のことしか考えていないのがまるわかりです。
これはひどい。
サイコパスにしか言えないセリフだこれ。
(つまり、狂ってしまったのではなく、元々の人間性が表出しただけってことなんですよね。悲劇でも何でもない)
奥さんも男を見る目がありませんね。実に運が悪かった。
…いや、やっぱり似た者同士だから惹かれ合ったのかも。
解釈はお任せします。
【感想】まとめ:Layers of Fear
一時期話題になっていてずっとプレイしようと思っていた今作。
しかし、遅すぎました。明らかにミスです。
さっさとプレイしておけばよかったと後悔。
PS4のホラーが枯渇していた当時(2016年)であれば新鮮で楽しめたかもですが…。
旬が過ぎた今となっては、似たり寄ったりのゲームを見すぎたせいもあり、正直、終始退屈でした。
ホラー慣れしていない方なら、ビックリ要素多めで楽しめるかもしれません。
また、ホラーゲームマニアの方で、もし今作をまだプレイしていないのであれば、やってみてもいいのではないでしょうか。
インディーホラーの中では知名度があり、世界中で絶賛されているようですし、プレイして損するということはないでしょう。
けれども、私はあまり楽しめませんでした。
探索がメインであることに飽きたというよりも、
ゲーム自体が面白くなかったというよりも、
家庭内不和とかスランプが原因で精神が狂うとか、
そんな物語が私の中で飽和状態だったせいですね。
食傷気味なんですよ。現実でも普通にありふれた自業自得な話は。
画家は結局、全然反省してませんしね。
なんとかクリアまでこぎつけた感でいっぱいです。
まあでも、あのキザなプロポーズのセリフを聞けただけでも、プレイしてよかったなあと思っています笑
以上、『Layers of Fear(レイヤーズ オブ フィアー)』のレビューでした。
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