感想&評価『レイジングループ』をレビュー~実に面白いノベルゲーム~

レイジングループ

“人狼ゲーム”を題材としたホラーADVゲーム『レイジングループ』。

基本的には文章を読んでいくだけのゲームなのですが、非常に楽しめました。
その面白さは、「私の中で好きなゲームトップ5に堂々と入り込んだ」ほど。

レイジングループの魅力を、ネタばれなしでレビューします。

プレイ時間:50時間~

久しぶりに「ハマった」と言えるゲーム


たまたまPS Storeでセールしていたものを購入しました。
(名作は意図しないところで巡り会うもの…)

ちょうど作中の時期(5月)と重なっていたこともあって、没入感がアップ。
プラチナトロフィーまでノンストップでした(気分的に)。
苦痛に感じることなくプラチナトロフィーが取れたのは初めてかもしれません。

それもそのはず。
なんとプラチナ取得率が40%を超えているのです。
ほとんどの人が最後までプレイしていることになります。
(プラチナトロフィーの取得率は10%未満が普通。ノベルゲームでも25%あれば高いほう)

別にトロフィー取得を目標にゲームをプレイすることはあまりないのですが、全部やりつくそうとしたら自然と取れた感じ。
こんなにハマったゲームは最近ではほとんどありません。

何が面白いのか

ゲーム自体は文章を読み進めるだけのノベルゲーム。
選択肢がいくつかあるけれどほぼ一本道。

では、何が面白いのか

もちろんそれは、ノベルゲームの核となる「ストーリー」です。

『かまいたちの夜』や『428』が好きで、小説や映画もミステリ系統を好む私にジャストヒットしました。

ネタばれは控えますが、普段から文章を読み慣れていて、ミステリ・サスペンス系の物語を好きだという人ならば、「間違いなくハマるストーリー」になっています。

特に『十角館の殺人』(綾辻行人)のような、作品自体にギミックが盛られた作品が好きならば、なお間違いないでしょう。


ストーリーの概要と一部登場人物紹介


あらすじは、

惨劇と「死に戻り」の謎を解き、生還できるのか?

「おおかみ信仰」の残る閉鎖集落で、殺人儀式「黄泉忌みの宴」 (人狼ゲーム) に巻き込まれた主人公。
謎のタイムループ現象を利用し、命と引き換えにKEY (手がかり) を入手、
選択肢をアンロックして怪奇事件の真相をあばけ!
ルート分岐により「誰が人狼か」も変化する、予測不能な物語が展開します。

こんな感じ。
最近流行りの人狼ゲームがテーマとなっています。


面白いストーリーには、面白い登場人物が付きもの。
個人的に気に入ったキャラクターを紹介しましょう。

房石 陽明(ふさいし はるあき)


本作の主人公。
初めは棒読みがひどいなと思っていましたが、それが主人公の性格に由来するものであると納得できた時にはむしろ、この声以外ありえないとまで感じるように。
(この声が気に食わなくてやめた人はもったいない)

『戯言シリーズ』(西尾維新)の「いーちゃん」をあらゆる意味で彷彿とさせます。

感情移入できないのに好きになるというのはホントにまれ。

でも、この物語においてはやはりダントツで主人公であり、終盤ではその存在を確固たるものにしてしまいます。

棒読みは個性。

芹沢 千枝実(せりざわ ちえみ)


本作のヒロインの一人。
運良く&運悪く主人公と出会ってしまいます。

「ぶっしゅぶっしゅ殺す」という彼女の言葉が絶妙に語呂が悪く、くせになりました。

醸田 近望(かもしだ ちかもち)


本作のお気に入りキャラの一人。
通称、モッチー。

こういう変人と見せかけた切れ者キャラは好き。
ただ、まだ高校生というだけあって、素直なところがあります。

しかし、モッチーが純粋さをなくしたら、史上最悪の殺人犯になるかも。
(※本編とは関係のない個人の感想です)

能里 清之介(のさと きよのすけ)


本作で一番お気に入りのキャラ。

出自のせいか村の者に対しては鼻につくよう態度を取るため、村びとたちには煙たがられていますが、殺伐とした作中では、その人間臭さが癒しとなりました

本作一番の常識人、そして、苦労人。
共感できるところが多いです。

「実はめっちゃいい人そう」というイメージは、エクストラエピソードで確信に変わりましたね。


登場人物はこのほかにもたくさんいますが、そのどれもがこの物語になくてはならない存在。

チープなキャラ付けもなく、バックボーンもしっかりしているため、人間としての違和感を覚えるようなことはありませんでした

実在してもおかしくない登場人物たちのおかげで、この世界に没入できたのだと思います。


本気で悩める選択肢


ほぼ一本道ですが、「黄泉忌みの宴」の際には非常に悩みました。
選択肢を前に数十分悩んだことも。

考えながらプレイすると、実にのめり込めます。

どうせ選択肢はあとで全部選ぶからどれでもいいだろ、
(トロフィー取得目当てだとこういう考えになりがち)
と思わずにきっちり考えて選ぶことをお勧めします。

理にかなった選択で合理的に宴を進められた時には、まるでその場にいるかのような錯覚を覚えて、ひどく興奮しましたね。

映画を観るときに、登場人物の一言一言や一挙手一投足に気を配るタイプの人も安心して楽しめると思います。
肩透かしはないでしょう。

あえて欠点を挙げるなら

タイトル通りループするので、エンディングは複数ありますが、
選択ミス=GAME OVERなので、ストーリーそのものに広がりはありません。
(人狼ゲームの都合上仕方ない…)

もし、選択肢次第で同じルートの中でもエンディングが異なっていれば、間違いなく後世まで語り継がれる「神ゲー」となっていたでしょう。

ノベルゲームという括りで見れば、歴代1位2位を争うレベル。
いやもう十分神ゲーですね。


好き嫌いが分かれる?


人にゲームを勧めるときによく
「好き嫌い分かれるだろうけど」
と枕詞のように付けて保身してしまうことはないでしょうか?

それは「自分は好きだけれど、他人にその作品を非難されたくない」
という思いがあるからです。

私は特に好みが偏っているので、ゲームに限らず様々なジャンルでそういうことがありました。

このレイジングループもおそらくそういう立ち位置のゲームです。

しかし、あえて断言します

このゲームが楽しめないのであれば、
今後一切小説やその他すべての創作物に触れないほうがよいと。

これを名作だと思えなければ、
それは自分の感性の乏しさを露呈しているに過ぎないと。

実際にプレイしてみれば、こう言いたくなる気持ちが分かるはずです。


ゲームの良し悪しに影響を与えるのは、実はゲームの完成度と自分の好みだけではありません。精神状態も大きく影響します。レイジングループを楽しめず何の感慨も湧かないのであれば、精神が疲れている可能性大です。

一旦ゆっくり休んでからプレイするとよいでしょう。

レイジングループを終えての感想


どんな名作でも批判はあります。
それが漫画やアニメや映画など、どんなジャンルであってもです。

特に自らがプレイしなければならないゲームにおいては、その傾向はより強くなります。

しかし、逆に言えば、自分がプレイしないといけないからこそ強烈に印象に残る訳です。
それが、ただ見ているだけのアニメや映画では味わえないゲームならではの醍醐味なのです。

私はその感覚を味わいたくて「ゲーム」をプレイしているのかもしれません。

このレイジングループも、ただ読むだけのゲームだからつまらないと批判されがち。
人によっては退屈に思えるのでしょう。

しかし、読むという行為にはページをめくる必要があるし、ノベルゲームにおいては、声を聴けるし、BGMがあるし、選択肢もあります。

だから私はこれを「贅沢な読書」と呼んでいます。
ゲームでしかできない読書なのです。

ノベルゲームは、普段から本を読む人にとっては至高の存在。

特にレイジングループは、
私の中の贅沢な読書の基準をすべて満たしている最高の作品となりました。

有意義な時間を過ごせて、大変満足しています。

別に誰かから面白いと聞いたからプレイしたのではなく、ときたまに名作がふと手元に転がり込んでくることがありますよね。
なんの前情報もなしに読めた私は本当に幸運なのかもしれません。

安心してしてください。
この評価は決して過大ではありません。

ここまでレビューを見た後でも十分楽しめます。

興味が湧いた人はぜひプレイしてみましょう。
ただし、寝不足には注意です。


以上、『レイジングループ』のレビューでした。



コメント

  1. 名無し より:

    これを名作だと思えなければ、
    『それは自分の感性の乏しさを露呈しているに過ぎない』

    これは言い過ぎでしょ。。。
    僕はラノベっぽい冗長すぎる文体が受け付けなくて途中でやめました。笑

    • 771 より:

      ちょっとだけ我慢して最後までプレイしてみては?
      すでに書いてある通り、プラチナトロフィー取得率50%は伊達じゃありませんよ。。。
      プレイ後には、
      これを名作だと思えなければ、
      『それは自分の感性の乏しさを露呈しているに過ぎない』
      と言いたくなるはず。笑