感想&評価『特殊報道部』をレビュー~今更ながらプレイ、続編発売に淡い期待を抱く~

『特殊報道部』感想評価レビュー

『特殊報道部』は、2012年8月23日に日本一ソフトウェアから発売のPS Vita用ノベルアドベンチャーゲーム。

宇宙人やUFO、アブダクション、人体発火、ポルターガイストなど、『流行り神』とは異なる方面のオカルティックな要素にスポットを当てているのが特徴です。

若干のホラー要素はありますが、まったく怖くありません。
(もし実際にそうだったら…という恐怖はあります)

寝る前に横になって気軽に楽しむのにぴったり。

プレイ時間:25時間ほど


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プレイ所感:続編発売に淡い期待を込めて

楓と遼

はじめは、ジャケットの女子高生が主人公の部活動ものかと思いましたが、そうではありませんでした(「特殊報道部」っていう部活動だと思ったのは私だけではないはず)。

名古屋テレビ放送と共同製作らしく、「尾張テレビ」の一部署「特殊報道部」で超常現象を検証し、深夜番組「トクホウ」を作る、というあまり見かけない内容となっています。

主人公は残念ながら男です。

製作する番組の内容で話が分岐。
しかし、番組作りはおまけのようなもので、基本的には話を読み進めていくだけ。

流行り神系統のノベルゲームが好きならすんなり入れるはずです。
文章に癖がなく読みやすいので、夜寝る前に横になって楽しむゲームとしてちょうどよいでしょう。

プレイ開始してからすぐは退屈で(とある理由で)あまり良い印象は受けませんでしたが、最後までプレイしてみると評価は変わりました。

正直、『真・流行り神』シリーズよりはるかに良くできたゲームです。ボイスもちゃんとついてるし。

ストーリー的にも続編が出てもおかしくありません。というか話をまとめるためにも出してほしいですね。(主人公の過去とか)

UFOや超能力、超常現象etc.にロマンを感じるだろうか

アブダクションされた過去を持つ楓

「UFOから超能力、UMA、超常現象、神秘、そして都市伝説まで、世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリー・マガジン」

でおなじみの月刊「ムー」に載るような内容を扱っているのが本作の魅力。

主人公たちは実際にそれらに直面します。

これらの眉唾ものの出来事は、完全に嘘とは言い切れないからこその面白さ、高揚感、そしてロマンがありますよね。

それを感じ取れる方であれば間違いなく楽しめるでしょう。

本格的なファンからすると広く浅くといった感じで物足りないかもしれませんが導入には十分です。

ゲーム内ではそれらの言葉を知ってて当然みたいな雰囲気で話が進んでいくため、聞きなれないその固有名詞に戸惑う方も多いかもしれません。

そんな時はぜひ調べてみましょう。
(作品内のTIPSで補足説明があればよかったのですが…)

特に最終章では、ノベルゲームの分岐と超常現象をうまく絡めた展開が用意されていて、予想以上に楽しめました。

キャラデザインが良い

度会楓

キャラデザインはイラストレーターの清原紘氏。

綾辻行人『Another』のコミカライズで知って以来、好きなイラストレーターの一人です。

(漫画版『Another』は非常に完成度が高くお気に入りの作品になっています。原作の情報不足を補いつつ、ギャグ要素もちらっと含めた良いコミカライズでした。おすすめ)

清原紘氏のイラストは、ただ美しいのではなく、儚げな雰囲気や憂いの表情の中に、意志の強さのようなものを感じ取れます。
そこが惹かれるポイントでしょうか。

特に度会楓ちゃん(ジャケットの女子高生)は、イラストとキャラの雰囲気・言動が絶妙に噛み合っていて、最高にまとまりのあるキャラクターとなっています。
声優の方も当時女子高生だったらしく、なるほど、どうりで違和感がない訳です。

少しネタバレ
度会楓は、大人びたキャラなのですが、愛の受け止め方が重すぎます。
「好きだから一緒に世界から消えてしまおう」だなんて、文学的心中を提案してきます。
ドラクエ6のバーバラを彷彿とさせる設定も相まって、印象に残るキャラでした。

清原紘氏は、現在、『十角館の殺人』のコミカライズも行なっています。
綾辻行人ファンとしても、どうオチるのか楽しみです。

鷲見衛

ほぼスーパーマン「鷲見衛」。彼の過去も気になる

棚橋彩

ディレクター「棚橋彩」。このTシャツほしい…


気になった点、残念な点

文章自体に違和感はありませんが

主人公のセリフに終始違和感

主人公のセリフが終始耳障りな感じがしました。地の文を音読しているような。

そのセリフいる?
という発言ばかり繰り返すため、「いいから黙ってくれ」という気分になります。

他のキャラは全然そんなことないし、プロデューサーのウザったい発言もまったく気にならなかったのに、主人公の発言にはとにかく違和感を覚えました。
無理やりボイス量を均等にするために入れたのではと思ってしまうほど。

ここが気にならなければ普通に楽しめるでしょう。
最終章あたりでようやく慣れてきました。

アプリケーションエラーが頻発、声が途切れる

何度再起動させられただろう…。

アプリケーションエラーが多すぎて一時はクリアできないかと思いました。難しくもなんともないノベルゲームでこんな苦労するとは…!

データの調子が良いときに一気にプレイしてしまうのがいいかもしれません。
日を空けてプレイすると頻度が高くなるような気がします。
(毎日寝る前にプレイするようにすれば問題ないはず)

それから、アプリケーションエラーに合わせて、音声の途切れ・ボツボツも頻繁に発生
まともに聞いてられないくらいにひどくなる時もありました。

内容以外にこういう幻滅ポイントがあるのはいかがなものかと。
普通に良ゲーなのに、これでは駄作扱いされてもおかしくありません。残念です。


まとめ:イラストに惹かれたならプレイしてみては?

番組製作はおまけだけども

いくらなんでもデカすぎでは…

もう何年も前の、しかもPS Vitaのゲームですし、わざわざレビューするほどでもないかとも思いましたが、せっかくプラチナトロフィーまで取得したのでレビューすることにしました。
このゲーム、スクショ撮れないのが誠に遺憾

そもそものプレイのきっかけは、イラスト。
UFOや超能力、UMA、超常現象に元から興味はあっても、清原紘氏のイラストがなければ、このゲームをプレイすることはなかったでしょう。

とまあ、全然期待していなかったのに、結局、「このキャラクターたちの続編が見たい」と思えるほど楽しめました。
この1作だけで終わるのはもったいない気がします。

日本一ソフトウェアと言えば、『流行り神』くらいしか思い当たらないですし、真シリーズも微妙な感じだったので、こちらの特殊報道部シリーズをスタートさせたほうがいいのでは?
というのが正直な気持ち。
(楓ちゃんが特殊報道部に配属されてからの話とか面白そう)

清原紘氏のイラストに惹かれた方、声優さんに興味がある方はぜひプレイしてみてはいかがでしょうか?


以上、『特殊報道部』のレビューでした。


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