感想&評価『ワールドエンド・シンドローム』をレビュー~青春との戯れに、死者が紛れ込む~

「ワールドエンド・シンドローム」評価感想レビュー

ノベルADV『ワールドエンド・シンドローム』のプラチナトロフィーを取得したので、レビューします。

ミステリー×恋愛アドベンチャーを謳う本作。

ミステリー3:恋愛7くらいの割合で、ヒロインたちと戯れつつ、ミステリーも楽しめるという贅沢なゲームとなっています。

ストーリーもキャラも音楽も絵もきっちりまとまりがあって、とても楽しめました。

ミステリー好きにもそうでない方にもおすすめです。

プレイ時間:30時間~

徐々に真相が明かされるストーリー

ワールドエンドシンドロームはミステリー×恋愛ADV

生者に紛れ込んだ……“死者”は誰だ?

百年に一度、死者が蘇り禍(わざわい)をもたらすと言われる「黄泉人伝説」
古い伝承が今も残る田舎町で起こる不可解で意味深な事件。
まるでそれが夢かのような彼女と過ごす、掛け替えの無い日々。

ひと夏の眩しさと儚さが同居する
ミステリー×恋愛アドベンチャー

引用:公式サイト

物語は、ある夏、主人公が引っ越した先の海辺の田舎町・魅果町(みはてちょう)を舞台に繰り広げられます。

各ヒロインの攻略という恋愛要素と、
「黄泉人は誰なのか?」というミステリー要素

その2つが徐々に混ざり合って、ゆっくりと真相が明かされていきます。

エンジンがなかなか掛からない展開に、序盤はもどかしい思いもしましたが、それを乗り切ると一気に惹き込まれていきました。

ストーリーはしっかりミステリーしていますし、伏線もしっかり回収されるうえ、どのヒロインもかわいくて魅力的。

クリアした今は確実に名作だと断言できます。

ミステリーを求めるのは後回しにして、序盤はかわいいヒロインたちとの青春を楽しもう!

ミステリー要素を楽しむのはそれからでも遅くありません。



各キャラクター所感

各ヒロインたちと印象に残ったキャラクターたちについて、個人的な所感を少し。

改めて思います。
声優ってすごいよなぁ…。

楠瀬 舞美(くすのせ まいみ)

楠瀬 舞美

主人公のいとこ。
ガサツで男前。でも、かわいくて成績優秀、運動もできるという盛り込みすぎなキャラです。(ジャケットを見るだけだとわからない魅力が満載)

中盤あたりで、割とマジでヤバい女なんじゃね?と思わずにはいられない言動をしまくり(笑)

舞美に関しては、もう少し深堀りしてほしかった点が多々あります。
まあそれは、続編で期待することにしましょう。

最初に攻略するキャラかと思いきや、シナリオ進行最初の壁となるキャラ。

音無 雪乃(おとなし ゆきの)

音無 雪乃

これで20歳!?
と思わずにはいられないキャラです。成人式を迎えたばかりとは思えません。あまりにも有能すぎます。

25歳くらいの設定でもよかったのではないだろうか、という気がします。(あ、いや、でも、そうか…)

雪乃攻略編からようやくミステリーパートが始まって、尻上がりに面白くなってきます。
そこまでは恋愛を思う存分楽しもう。

こんな知り合いがいたらさぞかし人生楽しいだろうなあ。

神代 沙也(かみしろ さや)

神代 沙也

神代堂(世界的お菓子メーカー)の社長令嬢ですが、その器は本物。
ちょっと優秀すぎやしませんか?と言いたくなるくらい色々な面で優秀。
大人の立場がなくなってしまいます。(正直、壬生の気持ちはわかる

でも意外と最初に攻略できるキャラ。

自分の信念が見えるキャラはどの作品でも好きになりがちですが、
まあ、本作はみんな信念があるからみんな好き(笑)

あ~あ、逆玉(の輿)に乗りたいなあ。

甘奈 未海(あまな みう)

甘奈 未海

とある作品の眼帯を付けたあの子にそっくり。
(というか、本作のなにもかもそっくり。オマージュ作品なのでしょう)

無口なキャラかと思いきや、彼女のルートに入ると、よく笑うしよく喋ることが判明します
詳細は、甘奈攻略編まで待つべし!

ああ、もっと罵ってくれ!甘奈!

山田 花子(やまだ はなこ)

山田 花子

瓶底眼鏡がキュート。たぶん、何周か回って新鮮に感じるからかも。

プレイヤーだけはその正体にすぐさま気づける仕様はいかがなものでしょうか笑
作中では誰も気づけないことに驚きを隠せませんが、それはまあご愛敬でしょう。

アイドルっていうのは、こういう人こそがなれるのかもしれない、
なんて思えるキャラクターでした。

何というか、応援したくなるキャラなんですよね。

麻木 健介(あさぎ けんすけ)

麻木 健介

主人公のクラスメイト。
たぶん君がいなければ途中で止めてたよ、このゲーム。
というくらいに重要なキャラ(私にとって)。

健介にまで暗い過去があったりしたらどうしようかと思ったけど杞憂に終わってよかったです。
こういうキャラの扱い方を本当によくわかってますよね。

彼とほかのキャラたちとのやり取りにふふと笑えてきたら、
その時、すでにあなたはこのゲームにハマっている証拠だ!

山城 香織(やましろ かおり)

山城 香織

主人公たちが所属するミステリー研究会の顧問。

とにかく胸がはだけすぎです。
なぜにそんなに胸をはだけさせてるの?強調させてるの?

終始胸ばかりに思考を取られてしまうキャラクター。
学生時代にこんな先生いたら、健介でなくとも、正気では、いられない(確信)。

実は彼女は、ゆとり世代。
そうか、ゆとり世代がついにフィクションでも大人の年齢になったか、となんだか感慨深くなりました。(でも、25歳には思えないよなあ…)

二階堂 玲衣(にかいどう れい)

二階堂 玲衣

絶体絶命パンダというアイドルグループのセンター。国民的アイドル。通称:ニカレイ。
11人のグループらしいですが、他の10人ついては一切言及なし(続編で待ってます)

神代堂とのコラボCMはヘビロテ間違いなしの秀逸さ。
異様に耳に残ります。しかもきっちり15秒だし。

フィクション世界のアイドルっていいですよね。
アイドルがアイドルしてるというか、理想を体現してるというか。

アイドルと仲良くなりたいなあ…。
(下心ではなく、純粋にその思考形態が気になります)

竜崎 涼子(りゅうざき りょうこ)

竜崎 涼子

刑事。常に高圧的で皮肉屋。一人が好き。
本作一番のお気に入りキャラです。
不躾な感じがたまらん笑

冷徹なオーラ全開ながらも滑稽さを醸しつつ、
やはりここぞという時にきっちり活躍してくれます。

彼女を気に入ったのは、
刑事・警察という私があまり好きではない人種の型に、「そぐわない」人格だからかもしれません。自分を正義だと思っている人間ほど質の悪いものはないですからね。

(彼女を見て、『流行り神』の犬童蘭子を思い浮かべたのは、私だけでしょうか)



背景も音楽もすばらしい

背景がよく動きます

ヒロインやその他キャラたちだけでなく、背景もこだわりがすごいです。

ノベルゲームといえば、キャラとセリフ(文章)だけであまり動きのないものが一般的。
ですが、本作は違いました。

草が風になびいたり、扇風機が回っていたり、水槽の魚が泳いでいたり、
そのままの意味でただの背景になりがちな絵が、本作ではよく動きます。

また、キャラクターの立ち絵は表情が変わるだけでなく、横姿や後ろ姿もあり、人物間の距離をうまく表現していて、
平面になりがちなノベルゲームの画を立体にしようとする工夫が随所にありました。

沙也はちょっとばかしいい子すぎました

それから、音楽もすごく良いです。

特に、今作で何度も目にすることになるオープニング。

そのクオリティの高さはもちろん、本編に適したすばらしい歌詞であるうえに、
見るタイミング(進行具合)によって受け止め方が変わるという、繰り返し聴くことで真価(真相)が把握できる仕掛けになっています。

本作は、
オープニング、エンディング、音楽、背景、キャラ、ストーリー

そのすべてがきちんとキレイに「物語が目指したもの」に収まっているのです。
余分なものが一つもありません。
(恋愛要素を余分に感じた人もいるそうですが笑)


プレイ前に知っておくとよいポイント

魅果町マップ

行き先を自由に選べます

本作『ワールドエンド・シンドローム』はブーストがかかるのが非常に遅いです。

なぜなら、はじめにヒロインを複数人攻略しないと、ストーリーが進展しないから。
しかし、キャラ攻略順はほぼ決まってますし、好きなヒロインを好きに攻略できるギャルゲーではありません。

「ひと夏の甘い恋」

などと作品紹介に書いてあり勘違いしがちですが、恋愛要素は多くとも主軸ではないのです。

れっきとしたミステリー作品。

私も最初のほうは退屈すぎて何度も投げそうになってしまいました笑
今では本当に最後までプレイしてよかったと思っています。

人生は急がば回れ、ということを
ストーリーだけでなくゲームシステム自体も教えてくれているのかもしれませんね。



実に良きノベルADV

これは夢だったのか、それとも…

良い意味で、「思ってたのと違う」ゲームでした。

アマゾンの商品説明は間違いなくミスリード。
本作を恋愛目当てかミステリー目当てかで序盤の感想は全く変わってくるでしょう。

私は正直、序盤のヒロインを追いかけるだけの夏休みはあまり楽しめませんでした。

恋愛要素を前面に出すには、どこか物足りないし、
ミステリーというには伏線らしきものが少なく予想も立てられない…

中途半端なイメージが拭えませんでしたから。

ただ、繰り返しプレイしていくうちに、キャラクターに愛着が湧いてきたことで、どんどんハマっていきました
最初は他人でしかなかった登場人物たちが身近に感じだす、ノベルゲーム特有の単純接触効果ですね。

キャラクターに愛着が湧くかどうかは、ノベルゲームにおいてストーリー以上に重要なポイントなのかも。

今となっては夏が終わってしまうのが名残惜しく感じるほど、

まさしく、

「ひと夏の眩しさと儚さが同居する ミステリー×恋愛アドベンチャー」

でした。

青春?そんなものは知らない

青春が何なのか知らない私でも楽しめました笑

レイジングループぶりのノベルADVだったので、あれと比較すると見劣りするだろうと思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。
ひさしぶりにわくわくしながらプレイできて満足です。

続編が出るようなので(タイトルは『ワールドエンド・フェノメナン』らしい)、
次は果たしてどんな展開魅せてくれるのか、今から非常に楽しみですね。

神代堂とニカレイのコラボCM

最後にニカレイと神代堂のコラボCMを置いておきます。
これであなたも魅果町に行きたくなること間違いなし!?


以上、『ワールドエンド・シンドローム』のレビューでした。


『レイジングループ』は、私の中でノベルゲームの最高峰となりました。人狼ゲームを題材にしたスリリングな展開と魅力的なキャラクター、巧妙な伏線回収。そのどれをとっても一級品です。