感想『ブラッド・パンチ タイムループの呪い』~オチが笑ってしまうほどに好き~

『ブラッド・パンチ タイムループの呪い』感想評価レビュー

映画『ブラッド・パンチ タイムループの呪い』の感想を書きます。

ループものが乱造される昨今、ここまで独特の光ったところがある作品は珍しいです。

アマゾンプライムビデオにあふれているB級映画の中でも格段に楽しめた一作

ネタバレ厳禁のホラースリラーSFアクション映画なので、概要と気に入った点を紹介します。

おすすめ。

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あらすじと所感

薬物治療のリハビリ施設で出会った女にそそのかされ、その女の彼氏と覚醒剤の精製を行うことになった科学工学専攻の元大学生。3人は時間のループに陥り、何度も殺し合いを繰り広げながら、その謎を解き明かそうとする。時間の迷路に囚われた者たちの殺し合いを描くSFアクション・ホラー!

引用:Amazon商品紹介

タイトルとこの説明文では、正直なところ、すがすがしいほどまでにTHE・B級の臭いしかしません。
というか、どこからどう見てもB級。
いや、実際に観てもやっぱりB級です。笑

ただし、ただのB級映画ではありません
単なるループものでもありません。

少なくとも2回観てしまうくらいには、そして3回目も楽しめるだろうくらいには良くできたB級映画です。

ミステリー系が好きな人、先を予測しながら映画を観る人、B級映画の観方がわかっている人には、満足できるだろう秀逸な作品となっています。

気に入った点を紹介

タイムループがくどくない

情報を小出しにしていくタイミングが的確で、徐々に真相に近づいていく感覚を主人公と共有できます。

冒頭で自分からのビデオメッセージを受け取る主人公ですが、その時点では視聴者と同様主人公も何もわかっていない状態。

そこからそのビデオメッセージを残すに至る過程が実によくできているのです。

ループもの定番の同じことを何回も繰り返す描写。今作はそれが殺し合いで表現されているので、あまりくどくなりません。

どんどん人を殺すことに慣れて、朝飯前とばかりに人を殺すようになる主人公たちはなかなかに痛快です。

その殺されている対象がまた良い味出してるんですよね。
殺されまくってても全然可哀そうにならない。笑

ちょっとした伏線をしっかり拾ってくる

多くの人にとって「またループものかよ~」という拒絶反応を起こしかねない食傷気味なジャンルであるループ系作品。

安心してください。本作は、“わかっている人”がちゃんと作ってあります。
ループものは古今東西様々な作品がありますが、それらと比べても間違いなく良作の部類。

ちょっとした伏線がラストに響いて良い味出す。
このことの重要性をしっかりわかっているシーンがきちんと盛り込まれています。

それから、ループするからといって、SF感を前面に出さないのも好きな点ですね。
あくまでループは仕掛けであって、本筋ではありません。

ループから抜け出そうとはしますが、その根本原因が詳細に語られることもなく、理屈で説明されることもないです。
だから、小難しいことは考えずにただ観れる。

あくまで、オチが最重要ポイントとなる映画です。
だから面白い。

オチがとにかく秀逸

あのオチは本当に良くできていました。

笑って終わるのは本当に好きです。本当にセンスがあります。
見てるこっちも笑いたくなりましたしね。
説明し過ぎないところがまた良い。

余韻を残しその後を想像させるオチ(エンディング)があるのは、名作の証だと私は思っていますが、本作にはそれがあります。
B級だけど、名作。
それが『ブラッド・パンチ タイムループの呪い』です。ただのB級映画ではない理由がこれ。

メンタル沈み込み系かと思わせる序盤から、B級感を炸裂させる中盤、
そして、うまく恋愛要素を絡めつつ大作感を醸し出すようなオチへの終盤。

うむ、実に良いですね。
主人公がかっこよく決めるラストも良い。

主要人物3人の奇妙なバランス感も見事でした。

『ブラッド・パンチ タイムループの呪い』感想まとめ

夥しいほど数多く映画がある中で、自分が面白いと思えるものに出会えるのはごくまれ。

面白いかもと思って観ても、「あ~あ、時間の無駄だった」となることは映画好きにはあるあるでしょう。

時間を無駄にしないためには、やはりレビューを参考にするのが確実。
これだけの人が面白いって言ってるんだから、絶対に面白いはず。
実際、そういう映画は評判通り楽しめます。そこそこ楽しめます。

そこそこ、ね。

そうなんですよね。
私が格別ひねくれているからかもしれませんが、他の人が面白いと言っているものを楽しめても、楽しくないんです。矛盾してないよ。

だから、レビューがたくさん書かれているような作品は後回しにすることが多い。笑
いつでも観れるからいいでしょ、と。

B級映画はその点、私の琴線をくすぐる絶妙なラインを行ってくれている作品がごくまれですが、あります。
それもその出会いに感謝したくなるレベルの。

誰も知らないけど、自分はその良さを知っている。
まるで、「自分だけが知っている恋人の良いところ」を知っているような密かな優越感に浸れるのです。

時間を無駄にせず、かつ、誰も知らない(有名でない)良い映画に出会うために私は、冒頭の10分~15分だけ観る、ということをよくします。

2時間ほどの映画で最初の10分で興味が湧かなかったら興味を惹き付けられなかったら、自分に合わない面白くない映画と断定するのです。

本作『ブラッド・パンチ タイムループの呪い』は、寝る前に横になって10分だけ観ようと思っていたのに、結局最後まで観てしまいました。

そんな映画です。
つまり、おすすめです。


以上、『ブラッド・パンチ タイムループの呪い』の感想でした。


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