感想『ロスト・ボディ』~全てがハイレベル、極上のサスペンスミステリー~

ロスト・ボディ感想評価レビュー

好きな映画No.1と言っても過言ではない名作『ロスト・ボディ』

Blu-rayを購入し、すでに10回以上観ている私ですが、プライムビデオに登場した記念に再視聴しました。やはり、何度観てもその伏線のすばらしさに心が打ち震えます

現在、プライムビデオで無料視聴することができるので、興味を持たれた方はぜひ観てみましょう。ミステリー・サスペンス系統が好きな方なら間違いなくハマる作品です。

むしろ、「観てないと損」なレベル。

ネタバレ厳禁な映画ですので、そこは要注意です。
ということで、ネタバレなしで感想を書いていきます。


予備知識一切なしで観たい方は↓これ以上は読まないほうがいいかもです
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『ロスト・ボディ』の極上ポイント

ストーリーが緻密、伏線が完璧

<あらすじ>

ある男が、恐怖のためにパニックに陥り、トラックに轢かれてしまう。
警察が現場に到着し、轢かれた男性は近くの死体安置所の警備員であることが判明する。
死体安置所では、3号室からマイカという女性の死体が忽然と姿を消していた。
ハイメ警部は、失踪した死体の夫であるアレックスに連絡し、死体失踪事件の調査を開始する。
ところが、その夜に付近を嵐が通過し、死体安置所は外界から隔離された状態になってしまう。そして、死体安置所では恐ろしい事件が起こり始める。

引用:Amazon商品説明

アレックスとマイカの過去の話を挟みながら、いわゆる「嵐の山荘」状態のまま物語は進んでいきます。

舞台は死体安置所のみ。
清々しいまでの本格ミステリー感。

多くのミステリー作品がそうであるように、場所や人物が限定されるほど伏線やストーリーの巧みさが映えるものです。

ロスト・ボディも
「よくここまできれいに2時間でまとめたな」と、
最高峰のカタルシスを味わうことができます。

伏線回収にミスディレクション、ミステリーのお手本のような作品です。

演技がハイレベル、とにかくリアル

日本では上映されていないうえに、あまりなじみのないスペインの映画であるロスト・ボディ。

当然、役者はみなスペイン語を話すため、断片的にさえ何を話しているのか分かりません。

(英語の場合、おおよそ部分的に登場人物が何を言っているのか、字幕との違いを楽しみながら観ることもできますよね)

ゆえに、そのハイレベルな演技が際立ちます
だからこそ、独特の雰囲気にのめり込めます

海外ドラマでよく陥る、「本当にこの人たちはこういう人生を送っているんじゃないだろうか」という感覚。
その感覚にたった2時間なのにより深く陥ることができます。

アレックス役のウーゴ・シルバ
マイカ役のベレン・ルエダ
ハイメ警部役のホセ・コロナド

この主役3人の演技は本当にすごいです。
役者の演技合戦と評される映画だけあります。

(おまけにみんな身長高いです。映画観てるときは気づきませんでしたが)

トリックのみに終始しない人間密度、人間臭さ

「……私も妻を亡くしたが、未だ過去にはならん」 by ハイメ警部

伏線回収やトリック部分に重点を置きがちなサスペンス映画は多いですよね。
「ほら、すごいでしょ?こんなの誰も気づけなかったでしょ?」と自慢されているような気分になる映画はよくあります。

私はそのように露骨な作品はあまり好きではありません。

しかし、ロストボディは違いました。
たった2時間ながらも、人物背景をしっかりと感じ取ることができる描写が過不足なく盛り込まれています
雰囲気と相まって重厚ささえ感じられるほど。

特に、アレックスとハイメ警部の人間臭さは、むしろ落ち着きをもたらしてくれます

感情の表出のさせ方や欲望に忠実な姿がいかにも“人間”をしていて、行動に矛盾が一切ありません。
(一見なんでそんなことしたの?と思える行動をとってしまうあたりが逆にリアル)

それと、アレックスの妻であるマイカの妖艶さも良いですね。
あの歳であの美貌はまさしく魔性の女と呼べるのではないでしょうか。
アレックスが翻弄されるのも納得がいきます。


まとめ:映画として抜群の完成度

最後の一言を聞くまで、時間を忘れて没頭できます。
間違いなく「すごい映画を観てしまった」感を味わうことができるはず。

これ以上はこの映画を評するには蛇足になってしまうので、とにかく観てほしいと言う他ありません。


登場人物の一挙手一投足を注視し、なぜその言葉を放ったのか、その行動をとったのか、それらを常に考えながら映画を観る派の私。
ですが、ロスト・ボディのラスト。これは本当に予測できませんでした。

どんでん返しに重きを置いた作品の場合、「やっぱそうだよね、それ以外の驚かせ方ないよね」と案外予想がついてしまうことが多いですよね。

でも、あのラストは本当に分かりませんでした。
ただただ、ストーリー展開の巧みさに舌を巻くしかありませんでした。

ラストの一言に感嘆の声さえ出ませんでした。


なぜ映画を観るのか?
このカタルシスを味わいたいからだ


映画のすばらしさを再認識させてくれる名作ミステリー映画『ロスト・ボディ』
心の底からおすすめします。

週末の夜をいつもよりずっと充実した時間にさせてくれるでしょう。


以上、『ロスト・ボディ』の感想でした。


コメント

  1. 内田けんじ監督の作品も気にいると思います。

    まずは「運命じゃない人」からどうぞ。

    • 3度目のコメント、ありがとうございます笑
      「運命じゃない人」は、どんでん返し系統ということですかね。
      一切ネタバレしないようにちょっと見てみますね。
      どこで配信されてるかな。
      作品情報ありがとうございます!

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